おさんぽ　さえこちゃん
	伊東美貴　作・絵 偕成社（本体価格　\1000．） 対照：幼児 横21.5×縦27 さえこちゃんは、おばあちゃんちに行くのが大好き。仲良しの犬 のぺロがいるからです。そしてぺロはお散歩が大好き。おばあちゃんと、ぺロと三人で公園に散歩に出かけました。その途中で、さえこちゃんとおばあちゃんは、お散歩で見つけたものでしりとりを始めましたよ！　題しておさんぽしりとり。始めは調子が良かったのですが、何しろ視野に入るものの名前しか使うことができません。とけい→いしがき→きいろいぼうし→しろいぼうし→しんぶんを　よんでいる　おじいさんが　すわっている　ベンチの　したにいる　ねこ……と、とうとう反則技（？）も飛び出してしまいました。たくさんの言葉を聞いて育った子は、しりとり遊びが得意です。絵本の読み聞かせをしてあげてください。
かいじんハテナ？
	舟崎克彦作　スズキコージ絵 小学館（本体価格　\1360．） 対照：幼児から 横21.5×縦26.5 お手洗いのドアをあけたら、いきなり現れたソイツ。かいじんハテナと名乗り、なぞ なぞに答えないとおしっこをさせてくれません。「ここは　ぼくの　うちだよ」と文 句を言うと、「なにをいっとるか！ここはもともと　わしの　なわばりなんじゃ」と 言い、「こどもに　いばらないで」と言えば「わしは　いくじなしだから　おとなに は　いばれないんじゃ」と訳の分らない理屈。所が、かいじんハテナのなぞなぞは難 しくて、なかなか答えられません。おかげでぼくはソイツに出会う度、お手洗いの前 でおもらしの失態。ママに白い目で見られてしまった。本当に迷惑なかいじんハテナ だけれど、ぼくもなぞなぞには強くなったよ。数あるなぞなぞの本の中でもおもしろ さ難しさ共一級品。そしてこの不思議な雰囲気をますます摩訶不思議なものにするス ズキコージさんの挿絵！
いぬのマーサがしゃべったら
	メドー作・絵　ひがし　はるみ訳 フレーベル（本体価格　\1200．） 対照：幼児から 横21.5×縦28 ヘレンは犬のマーサに「あいうえおスープ」を食べさせた。すると信じられないことに、スープの中のあいうえおマカロニは、マーサのお腹に入っていかないで、頭の中に入って行ってしまったのです。その夜からマーサが喋りだしました。家族のみんなは、マーサが話せたら聞いてみたいと思っていたことをいろいろ訊ねることが出来たし、おしゃべりする犬と散歩に行くのは愉快です。でも、犬がお喋りすると困った問題も起きます。悪口も告げ口も考えなしに言ってしまいます。相手が聞きたくなくても延々と喋り続けます。ペチャクチャ、ペチャクチャ。だれもマーサの口はふさげないのです。とうとうパパに「うるさーい！」と怒鳴られたのですが、マーサには何がいけないのかが解かりません。ショックを受けたマーサは塞ぎ込み、あいうえおスープも食べなくなってしまいました。そんなある夜、どろぼうが忍び込んできて…。さあ、おしゃべりマーサの出番です。
これはのみのぴこ
	谷川俊太郎作　和田　誠絵　 サンリード（本体価格　\980．） 対照：幼児から 横22×縦28.5 マザーグースに積みたて歌があります。有名なのは“これはジャックが建てた家”。 これを日本語で試みたのが、谷川俊太郎さんです。「これは　のみの　ぴこ」「これ は　のみの　ぴこの　すんでいる　ねこの　ごえもん」「これは　のみの　ぴこの　 すんでいる　ねこの　ごえもんの　しっぽ　ふんずけた　あきらくん」といった具合 に、ページを繰る毎に状況が積み重なって行き、最後には１５行にも及ぶ長いセンテ ンスが出来上がるという訳。これが一息で暗誦できるようになったら、今度は自作い たしましょ！親子でやったらきっと楽しいと思います。ところで、この本の主人公は どうも「…ねこの　しゃるるの　せなかに　すんでいる　のみの　ぷち」のよう。ご えもんねこの「のみの　ぴこ」の立場はどうなるの？