“子どもの気持”の号 2001.9
"子どもって気楽""子どもは苦労がなくて良いな"という大人の評価もあるけれど、そうばかりとも言えないですよね?子どもだって不条理を感じ、それなりにガマンも努力もしているのではないのかと私は思います。大昔(^_^)の自分を振り返ってみたとき、子どもの不満の一番は「気持を分かってもらえない悔しさ…」ではないかと思い当たります。どんなに我がままな事をやらかしても、だからといって大人の力でねじ伏せられるのは本当に悔しい。今月の絵本は、物分りの良い大人になるためでなく、懐かしい幼い頃の自分に出会っていただけたらと思って選びました。 |
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子どもがが言うことを聞かないと、人間のお母さんはすぐ電話をします。「もしもし おおかみさん!わるいこがいます。すぐ つれてってください。」おおかみは、大きくて真っ黒で、すごーい歯を持っている。恐いから子どもはすぐ「ゴメンナサイ」をしてしまいます。でも、おおかみの家では、おおかみ母さんが言っていました。「そんなに わるいこなら にんげんをよびますよ。にんげんは こわーいんだから。」そんなある日、お母さんの留守に電話が鳴って、受話器から子どものおおかみが飛び出した!びっくりした"ぼく"は思わず頭をたたいて泣かせてしまったけど、お薬を付けてあげて一緒におやつを食べて、ふたりは仲良しになりました。おおかみの子が言うのには、おおかみ父さんやおおかみ母さんは、「にんげんの おかあさんから でんわがたくさんかかるから、いそがしくて いそがしくて きみのうちへ いくひまなんか ないよ。」だって。 |
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三びきのこぶたのブウとトンとヤンは、とってもとっても我ままでやんちゃ。とうとうお母さんの堪忍袋の緒が切れました。「おかあさんの いうことが きけないような こは、うちのこじゃありません!」こぶたたちも、怒ってばかりのお母さんが嫌になり、三びきは家出をすることにしました。♪♪ここの おうちとは おわかれだ。よその おうちの こになろう。♪♪さて,やさしいお母さんのいる家を捜して、三びきはまずうさぎさんの家に行きました。でもこの家では毎日のごちそうがニンジンばかりで、「ここは ぼくたちのうちじゃないみたい。」次に行ったワニさん家では赤ちゃん扱い、その次のカラスさんちは子沢山で、どの家もしっくりきません。夕方になりお腹も空いて、めそめそし始めた三びきの耳に、その時嬉しい声が聞こえてきました。「ブウー、トーン、ヤーン、 どこに いるのー、ごはんですよー」こぶたたちは走って走って、お母さんの元へ! |
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アーサーは怒った。アーサーが怒ると雷がなって、稲妻が走り雹が降った。家族のみんなに「もう けっこう。」と言われて、それでも納まらないアーサーの怒りに、嵐が起こり町が水に沈み、地球が卵みたいに割れて…アーサーは最後には星も地球も国も町もこっぱみじんに砕いてしまった。それでやっと落ち着いたアーサー。「ぼく どうして こんなに おこったんだろう。」 初めて読んだ時は、何て恐いお話!と思いましたが、こんなに怒りを爆発させるって気持良いことかもしれません。大人になって、感情のままに泣きわめくということが許されなくなった今は、こんな心理に懐かしさと共感も覚えます。この絵本、ゆめゆめ躾にお使いになりませんよう。 |
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