クリスマスの絵本特集'01

"主人公たちのクリスマス" の号 2001.12

 今年もあっという間に一年がめぐり、またまたクリスマスシーズンがやって来ました。クリスマスもお正月も、子どもの時には、それぞれの年が特別で新鮮に思えたものです。"また、クリスマスが…" と言う言葉が口をついて出る様では、わたしもすっかり大人になってしまったのですね…。(とっくにでしょ!という声も聞こえて来るような気がしますが、ここでは、精神的な年齢を言いたいのです。)
心が大人になった人は、今までの感謝を込めて、サンタクロースに何か出来ることをお手伝いしなくちゃいけません。という訳で、子どもの本屋もこの時期、サンタさんとコンタクトを取ったりするのに忙しい毎日です。子どもたちが、いつまでも心に残るクリスマスを体験できるよう、たくさんお手伝いしたいと思っています。

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コロちゃんのクリスマス

ヒル 作・絵 
評論社¥1,200.(本体)
横22.5×縦22p
対象:乳児
 今日はクリスマス・イヴ。コロちゃんはお母さんとクリスマスを迎える準備をします。ヒイラギを飾り、もみの木を飾り付けていると聖歌隊もやってきます。例によってお手伝いがいたずらになってしまうコロちゃんをやっと寝かせたお母さんは、窓の外にコロちゃんが楽しみに待っているサンタさんの姿を見ます。つぎの朝、コロちゃんに届いていたプレゼントは何だったのでしょう?人気のめくり仕掛け絵本「コロちゃんはどこ?」のシリーズ。小さい方にも、クリスマスのイメージが伝わる楽しい1冊です。




 

ぐりとぐらのおきゃくさま

     

なかがわ りえこ作 やまわき ゆりこ絵
福音館 ¥743.(本体)
横19×縦21.5p
対象:幼児から

 雪合戦をしていた、のねずみのぐりとぐらは、森で大きな大きな足跡を見つけました。後をつけると、それは何とぐりとぐらの家へと続いていたのです。玄関には大きな赤いコートが掛けられ、暖炉のまえには濡れた手袋が干されていました。でも、お客様の姿はベッドルームにもお風呂場にも見えません。そのとき、ふたりの鼻がいい匂いを嗅ぎ当ててうごめきました。カステラをやく臭い!ぐりとぐらが台所に行くと、赤いズボンをはいた白いひげのおじいさんが、丁度すてきなケーキを焼き上げた所でした。おじいさんは時計を見て、「おくれちゃたいへん。いそげいそげ」と真っ赤なコートをはおり長ぐつをはいて、「では、よいおとしを!」おおきな袋をしょって出ていってしまいましたって。その夜はもちろん、ぐりとぐらの家に大勢のともだちが集まって、クリスマスパーティをしました。
 そうそう、このケーキの作り方は「ぼくらのなまえは ぐりとぐら」に載っていますよ。





よるくま 

 クリスマスのまえのよる

酒井駒子作・絵 
白泉社¥1,000.(本体)
横24×縦18p
対象:幼児
から

 「わるいこには サンタさん やっぱりこないのかしら…」心配で眠れないぼくの所へ、よるくまがやって来ました。(よるくまについては、前作を読んで下さいね。)クリスマスの事もサンタさんの事も何も知らない、あどけないよるくまに、ぼくはきれいに飾られたツリーを見せ、プレゼントをあげます。「よるくまは いいな。かわいくて いいこだから、サンタさんきっとくるもの。」 ちょっと複雑な気持ちを抱えたぼくですが、その夜の夢の中で、丸ごと受けとめられ愛されていた赤ちゃんの頃の自分に出会います。幼い心の不安や葛藤・受けとめられる喜びが、夢と現実の交錯するストーリーの中に描かれて、ちょっと甘酸っぱい思いのする1冊です。

マドレーヌのクリスマス

ベーメルマン作・絵 江國香織訳
BL ¥1,200.(本体)
横22×縦31p
対象:幼児
から

 

 パリの古いお屋敷に住んでいる12人の中で、いちばん小さくいちばんゆうかんな女の子のマドレーヌ。クリスマスのまえの晩にみんなが風邪で寝こんでしまったので、マドレーヌは家事に看病にと大忙しです。するとドアをたたく音がして、マドレーヌはサンタクロースかしら?と思ったのですが、それはじゅうたん商人でした。じゅうたん商人がもっていた12枚の赤いじゅうたんは、ベッドの横に敷くのにぴったり。マドレーヌは「あさおきるとき、これで あしがつめたくないわ」と全部買い取りました。ところがじゅうたんを全部手放した商人は寒さに震え、すっかり凍り付いてマドレーヌたちのお屋敷へ舞い戻って来ました。マドレーヌが凍った彼を世話してあげたので、じゅうたん商人はお礼にと魔法のじゅもんでお皿を洗い、12人の女の子たちをじゅうたんに乗せてそれぞれの家族の元へ送り届けてくれました。このじゅうたん商人、マドレーヌに掛けてもらった赤い毛布がとても似合っていましたよ。

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