"はじめのはじめの そのまたはじめ"のお話 2002.1
新年おめでとうございます。昨年希望に満ちて迎えた21世紀が、実は大変に厳しい始まりになってしまったのは、本当に残念なことでした。たくさんの問題を積んだままの地球号。乗組員である私たちは、守っていくもの・受け継ぎ次の世代に譲っていくものについて、振り返る貴重なチャンスを得たと考えて、しっかりと受けとめていく時だと言えるのかもしれません。今年も子どもの文化を発信していきていきたいと思います。ちいさいお客様と本の世界の橋渡しが、たくさん出来ます様に。一緒に考えていただける、たくさんの方と出会えます様に。 |
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いろいろ1ねん |
レオニ 作・絵 |
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1月、ふたごのねずみウィリーとウィニ―は初めて雪を見ました。1本の木"ウッディ"に出会ったのもこの時でした。2月になると雪はとけ、3月、雨が降ると、ウッディは「もうすはるだわ。まちきれない。からだがむずむずするの」その言葉の通り、ウッディは枝に若葉を茂らせ、花を咲かせました。大の親友になったねずみたちは、山火事からウッディを救います。9月、ウィリーとウィニ―が長い夏休みを終えて戻ってくると、ウッディはその枝にたくさんの良い香りの果物を実らせて待っていました。「すきなだけ とっていいのよ」 11月、ウッディの枝から葉が落ち、ねずみたちはクリスマスプレゼントの相談をします。「いちばん いいものを あげなきゃ」
小さい人たちに、時の流れを実感として伝えるのは難しい事ですが、この絵本は一本の木の四季に寄せて、一年を美しくシンプルに描いていて見事です。レオニ晩年の作品。 |
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ね、うし、とら・・・・・・十二支のはなし |
ウォアコム作 カイン絵 へんみ まさなお訳 ほるぷ ¥1,165.(本体) 横22×縦29p 対象:幼児から |
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日本に伝わる十二支のお話では、動物たちに「正月の朝、御殿に来るように。来たものから12番まで、順にその年の大将にする!」と神様が動物たちを競争させますが、こちらの十二支は中国のお話。すでに12匹の動物の顔ぶれは決まっていますが、牛とねずみが一番を欲しがって互いに譲りません。牛は大きくてつよい」ことを、ねずみは「頭もよく学問もある」ことを主張し、皇帝陛下とその家来シュン・ユーにも決定することが出来ません。 そこでシュン・ユーが、12匹の動物たちに意見を求めて回りますが、ねずみと牛は同得点。「まったくむずかしいことじゃ。」「かといって、こよみのはじめに2しゅるいのどうぶつはおけないからのう。」とうとう街の人々に決めてもらう事になったのですが、そこで…ねずみが策略を練ります。こんなところは日本のねずみと同じですね。 |
おれは歌だ おれはここを歩く−アメリカ・インディアンの詩― |
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金関寿夫訳 |
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アメリカ・インディアンの口承詩に、秋野さんの生命力溢れる絵がついたこの絵本。ページを開くまでもなく、表紙からもう不思議な力が溢れ出してきています。新年になぜアメリカ・インディアンの詩?と思われるでしょうね。この絵本の中に収録されている「魔法の言葉」が、まさにはじまりのうたなのです。全編をご紹介できないのが残念ですが、出だしはこんなふうです。 ずっと、ずっと大昔/人と動物がともにこの世に住んでいたとき/なりたいと思えば人が動物になれたし/動物が人にもなれた。(略)そしてみんながおなじことばをしゃべっていた(略) アメリカ・インディアンが、この世が始まった頃をこんなふうに思いえがいていた事に、共感を覚えるのは私だけでしょうか?この詩は同じく福音館から絵本版でも出ており、こちらは秋野さんの染色です。 |