“かくれんぼ しましょ!”の号   2002.5

 見つかってしまうかもしれない、というゾクゾクするスリル。それなのに、このまま見つけてもらえないかもしれないという心細さもある、かくれんぼは、本当に魅力に満ちた遊びです。簡単なルールがわかるようになった小さい子が最初に出会う遊びといえば、かくれんぼと追いかけっこではないでしょうか。そのせいか、かくれんぼを扱った絵本は、赤ちゃん絵本にもたくさんありました。読んでいると、植え込みの陰のひんやりした感じや、腹這いになった時の土の匂いまで思い出されます。かくれんぼ、しましょ!


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コロちゃんは どこ?   

ヒル作・絵 
評論社  \1,200.(本体)
横20.5×縦22cm 
対象:乳児

 ママが捜しています。「コロちゃんったら!ごはんなのに どこ いっちゃったの?」 ドアや時計、ピアノの中、階段の下の物置と、どこを開けてみても、コロちゃんは見つかりません。この絵本はめくる仕掛けになっていて、各ページで読者の子ども自身が仕掛けを開けてコロちゃんを捜せるようになっています。ドアの向こうではクマが、「ちがうよ!」時計の中からはへびが、「おりません!」ピアノの中にはどういう訳かカバがいて、「いいや」。読者はひとつひとつ開けて確かめながら、まさにおにごっこのオニの気分を味合います。ポップアップのように壊れやすい仕掛けではないので、小さい子にも上手に扱えるのも魅力です。コロちゃんはどこに居たかって?それはあなたが見つけてください!('01.12月号で同シリーズの「コロちゃんのクリスマスを」紹介しました。)


うずらちゃんの かくれんぼ

きもと ももこ 作・絵 
福音館
  \838.(本体)
横19.5×縦22cm
対象:乳児
 うずらちゃんが、ひよこちゃんとかくれんぼを始めました。じゃんけんをして勝ったので、最初はうずらちゃんが隠れます。「もう いいかい」「まあだだよ」「もう いいかい」「もう いいよ」。うずらちゃんは、隠れるのがとっても上手。体の模様によく似たお花の所にいるので、ひよこちゃんには見つけられません。ほらね!けれどもその時、ブーンとハチが来て、「わー、こわいよう」と逃げ出したので、とうとう見つかってしまいました。・・・"かくれんぼ"より"うずら"のテーマで取り上げたいと思うくらいに異色な主人公のこのお話し。ストーリーに隠し絵の手法が生きて、絵本だからこそ経験できるかくれんぼの世界です。

かくれんぼおに  

こいでやすこ 作・絵 
ぎょうせい  \1,456.(本体)
横22×縦28.5cm 
対象:幼児から
 のうさぎのほっぷとすてっぷは、のはらでちいさな家をみつけました。テーブルの上には、おいしそうな赤いいちごと、「どうぞ めしあがれ」のカード。のうさぎたちは勿論、喜んでごちそうになる事にしました。ところが、いちごを一つぶ食べた時「もーいいかい」という声が聞こえてきました。ほっぷとすてっぷは驚いて、「まーだだよ」と答えました。二つぶ食べた時また「もーいいかい」という声。ふたりは急いで3つぶめを飲み込んで、「もーういいよ」と答えました。するとそこに現れたのは、かくれんぼおに!「かくれんぼしないと、たべちゃうぞ〜」と二人を追いかけて来ます。かくれんぼおにもうさぎたちも、あとで登場するぶたの親子も、とても個性的で魅力があります。

 かくれんぼの絵本は、この他に、「メイシーちゃんのかくれんぼ」カズンズ作(偕成社) 「かくれんぼかくれんぼ」五味太郎作(偕成社) 「みんなみーつけた」きしだえりこ作やまわきゆりこ絵(福音館) 「もーいいかい まぁだだよ」平出衛作(福音館)等があります。

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