2003.3

"おおきくなったよ"の号

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 大きくなる・・・というのは、子どもたちの憧れです。体もちいさく、自分で出来ることも限られている。大人の保護と指示を受け、ちいさな失敗を重ねる毎日でいながら、子どもたちがあんなに元気なのは、"大きくなっている!"という実感があるからでしょう。春、若葉が芽吹き、ひとつ学年が上がる嬉しい月。心も体も大きくなあれ。



 

ちびゴリラの

  ちびちび

ボーンスタイン 作 
いわた みみ訳
ほるぷ ¥1,250.(本体)
横25cm ×縦22cm

対象:2歳から

 ジャングルに、父さんや母さんに可愛がられて、赤ちゃんゴリラのちびちびが住んでいました。家族だけでなく、森に住む生き物みんなが、この可愛い赤ちゃんゴリラのことを大好きでした。ぞうと水遊びをしたりライオンのしっぽをひっぱったり、わんぱくなちびちびを、森のみんなは見守ります。そんなある日――ちびちびが大きくなりはじめたのです。どんどん!どんどん!どんどん大きくなって、(画面いっぱいの)とても立派なゴリラに。すると森のみんながやって来てお祝いしてくれましたよ。「おたんじょうび おめでとう ちびちびくん!」大きくなった今だって、もちろんみんなは、ちびちびのことが大好きです。
 抑えた色使いの画面の中で、表情豊かに暮らす動物たち。そして、子どもたちが予想する以上の成長を見せるちびちび。大きくなりたいと願う子どもたちには魅力いっぱいの絵本です。





歯がぬけた

中川ひろたか作 大島妙子絵
アリス ¥1,100.(本体)
横19.5cm ×25.5縦cm 
対象:幼児から

 晩ご飯の時、ぼくの歯が抜けた。初めて抜けた前歯をめぐって、お母さんやお父さんは感慨無量。赤ちゃんの時初めて生えた歯だったわ。今度生えたらもう生え替わらないんだから、大事にしなくちゃだめだよ。ぼくは、総入れ歯を想像して笑ったり、抜けた歯の隙間にストローを通してジュースを飲んだりと、浮かれ気味です。抜けた歯はどうしたらいいのかな?上の歯を縁の下、下の歯は屋根の上に捨てる、日本の風習。枕の下に入れておくと、妖精がコインと替えてくれるという、西洋の風習。でもこれは、ぼくに生えた最初の歯だもの。捨てないで、きれいなビンに大事に取って置こう。
 歯が生え変わるのは、子ども心にちょっぴり嬉しく誇らしい。大人の歯が生えてくるんですものね。



てんのくぎをうちにいった

 はりっこ

かんざわ としこ作  
ほりうち せいいち絵
福音館 ¥800.(本体)
横19.5cm×縦26.5cm
対象:幼児から

 昔々、空がお鍋を伏せたように頭の上高く掛かっていた頃のこと。親を亡くしたハリネズミの赤ちゃん"はりっこ"は、気のいいクマのばあちゃんに育てられていた。ばあちゃんは、はりっこにおかゆを食べさせ、クマのひいひいじいさんが、天井を支える「てんの くぎ」を打った話をして聞かせた。そんなある日、"ぎいー ぐゎら ぐゎら と、恐ろしい音が。天の釘がゆるんで、天井が落ちそうになっている。誰かがゆるんだ釘を打ちに行かねばならない。「ぼくだ。ぼくが いく」と小さな はりっこの声に、「よくいった、はりっこ。」と、クマばあちゃんも偉い。先祖伝来のハンマーを与えられたはりっこは、行く手を阻む赤目の蛇と戦い、長い長い梯子を登って、苦難の末ようやく釘を打つ。はりっこの成長物語。
 成人して育ての親に報いる話としては、日本の昔話「ももたろう」や「いっすんぼうし」にどこか似ていますね。でも、帰りはばあちゃんの小屋に落ちて来て、ばあちゃんに労われておかゆを食べるはりっこは、やっぱり"ばあちゃんのちいさなはりっこ"に変わりなく見えます。





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