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“お風呂はいかが?” の号 2004.2
立春とは言え、寒さはまだまだ続きます。一日の終りにゆっくり入るあったかいお風呂は、身も心もほぐれて、"あ〜ごくらく、ごくらく・・・"などという言葉が思わず口をついて出てしまいます。でも、これは大人の楽しみ。子どもたちには、お風呂はあたたまりに行く所というよりも、空想世界に続く入り口のようです。声がくぐもり、お湯に煙るお風呂場は、昼間とはちがった不思議空間となって、現実にしばられない自由な時間を与えてくれます。お風呂に誘う時は、"よく温まりなさい!"ではなく、"かばさんやペンギンさんに会いにいこうよ!"と言ってあげましょうか。 お風呂の絵本は今回ご紹介したほかに、☆おふろだいすき(福音館) ☆やまのおふろ(BL)☆おふろにはいろう(すずき)等たくさんあります。
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おふろにおいで |
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ちゃぷちゃぷ ぷくぷく かにさんは、しゃぼんのあわをいっぱい立てて、いい気持ち!とぷとぷ とぽとぽ かめさんはお湯の中で手足を伸ばして、いい気持ち。しゃぶしゃぶ ぶひぶひ ぶたさんもお湯を飛ばして、いい気持ちですって。お湯につかる動物たちの、気持ち良さそうな表情!小さい人たちと一緒に楽しめるお風呂の絵本です。 |
しのちゃんと |
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織茂恭子作・絵 |
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アパート暮しで動物を飼うことができなかったしのちゃんに、あるひお父さんが言いました。「しの、にわつきのいえが、みつかったぞ。ひっこししたら、ねこも いぬも きつねも くまも、みーんな かっていいぞ。」 引っ越した先は山の中の古い一軒家。さっそくしのちゃんは、猫や犬やキツネを見つけて、「うちのこにならない?」と誘います。ところが動物たちには、飼われるのは嫌だと断られ、くまだけが、お母さんが作ったおいしいおやつにつられてついて来ました。「ともたち つれてきたよー」というしのちゃんの声に、「おふろにはいりなさーい」「そしたら ごはんですよー」と答えたお父さんとお母さん。メリメリッという音に驚いてお風呂に駆けつけたふたりが見たのは、大きな体でお風呂を壊してしまって困り顔のクマと、はだかん坊のしのちゃんでした。 |
おふろやさん |
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西村繁男作・絵 福音館 ¥800.(本体) 横19.5cm ×縦26.5cm 対象:4歳から |
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あっちゃんの一家は銭湯に行きます。お母さんは赤ちゃんを連れて女湯へ、あっちゃんはお父さんと一緒に男湯へ。おふろやさんには、顔見知りのご近所さんやあっちゃんの遊び仲間も来ています。大人たちは体を洗ったり温まったり。子どもたちは勿論、あわぶくを作ったりお湯のかけっこをして遊ぶのですが、そのうち調子に乗りすぎた男の子たちが、よそのおじいさんにこっぴどく叱られたりもします。銭湯通いは、20年前くらい前まで日本の街のあちこちで見られた暮しのひとこまです。 |