|
“作る・暮らす” の号 2004.4
何でもお金を出して買う時代だけれど、わたしたちの生活に必要なものは、少し前の時代までは、自分や家族や見知った人たちが、その手で育てたり作ったりしていました。勿論、今売られている商品も、どこかの誰かが作ったものです。その実感無く買って使う生活は、便利なようで何か欠落しているようにも思えます。何か作れますか?と言われたら、私には何か作れるものがあるだろうかと思いつつ、今月の絵本を選びました。 |
ペレの
|
|
|
|
ペレは羊を一匹持っていて、一生懸命に世話をしていました。ペレも羊も元気に育ち、羊の毛は長くなりましたが、ペレの上着は短くなるばかりです。新しい服を作るため、ペレは羊の毛を刈り取り、おばあちゃんのところへ持って行きました。そして、ニンジン畑の草取りをする代わりに、おばあちゃんに羊の毛を梳いてもらいました。もうひとりのおばあちゃんには、牛の番をするのと引き換えに、その毛を糸に紡いでもらいました。まだこの先、糸を染めて、織って、仕立てねば服は出来ません。紡いだ糸を染めるために、ペレはペンキ屋さんのところに行くのですが・・・。 新しい服を手に入れるため、ペレは自分の労働で代価を支払って、大人たちの技術に助けてもらいます。ペレの新しい服は本当に素敵です。お礼をいうペレに、羊も喜んでくれているようです。 |
にぐるまひいて | |
ホール作 クーニー絵 |
|
春に父さんが刈り取った羊の毛、その羊の毛で母さんが編んだショール、娘が編んだゆなし手袋、みんなでつくったろうそく、亜麻から作ったリンネル、父さんが切り出した屋根板の束、息子が作ったしらかばのホウキ。まだまだありますよ。じゃがいも、りんご、はちみつ、かぶ、キャベツ、かえで砂糖、がちょうのはね。10月になると父さんは、家族みんなで収穫したものを荷車いっぱいに積み込んで牛に引かせ、十日がかりでポーツマスの市場へ売りに行きす。積んで来たものが全部売れると、父さんは、砂糖の箱もりんごの樽もじゃがいもの袋も、それから荷車を引いてきた牛も、牛のくびきと手綱までも売って、家族の待ちわびる我が家に帰っていきます。父さんのおみやげは、娘に刺繍針、息子にナイフ、母さんには鍋。そして又みんなで次の仕事に取り掛かるのです。リンネルを仕上げ、刺繍をし、ホウキやろうそくを作り、3月になれば、かえでから樹液をとって煮詰めて、かえで砂糖を作ることができます。 |
ゴールディーの
|
|
ゴフスタイン 作 末盛千枝子 訳 すえもり ¥1,575.(税込) 横17.5cm ×縦15cm 対象:小学生から大人まで |
|
人形作りの女の子ゴールディーは、森で集めた木の枝を人形の材料にしていました。四角くな木から作るのでは、出来上がったお人形が「生きている」感じがしない、と思うからでした。両親はすでに無く、受け継いだ人形作りの仕事に毎日打ち込むゴールディー。木から顔と体を作り出し、服を着せて、微笑みかけながら目鼻を描きます。彼女の作るお人形たちは、優しくてかわいらしい笑顔を浮かべ、買う人の心を掴むのでした。 |