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“本のなかへ・・・ ”の巻 2004.9
| 本に夢中になっている子を呼んでも、一回で返事が返ってくる事はまずありません。何度も呼ばれて、まるで目が覚めたみたいに目をぱちくり。お帰り、お話の世界から今帰ってきたのね！と言いたくなる様な表情です。この反応は周りの人には不評でも、読んでいる本人にとってはその時間は至福のとき。もっと上級になると、本が手許になくても自由に、現実世界と空想世界を行き来できるようになります。絵本作家たちももちろん、この腕前を磨いているようですよ。 |
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ぼくはぼくの
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| うさぎのジェラームが、絵本を抱えています。抱きしめたり、仰向けになって眺めたりして幸せそうです。「みためも すきだし てざわりも だいすき。ぼくを いろんな ばしょに つれてってくれる。」ジェラームが入って行った世界では、ライオンや妖精とお友だちだし、魔法の湖に潜ることも出来ます。もちろん巨人や眠り姫だっています。不思議に満ちた楽しい世界でたっぷり遊び、「つかれた ときには だいすきな ともだちに さよならをいって、ほんを とじる。」 本を閉じてこっちの世界にもどったジェラーム、本を枕に、気持ち良さそうに今度はお昼寝です。読み手の私たち自身も、どんなに本が好きだったかを思い出して幸せに浸ることが出来る、本好きさんのための一冊です。 | |
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いたずらハーブ
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| ハーブは絵本が大好き。字を読むのは苦手だけど絵を見ていればわかるから。ところがハーブ君、本の扱いは少々問題ありです。汚したり食べ物をはさんだり、時にはいたずら書きをしたり。ある夜おとぎばなしの本を読みながら眠ってしまったハーブは、"きんいろまきげちゃん"と名のる女の子に、「あんたが この おはなしに でてくるなんて ゆるせないわ、ぜったいにね！」ときいきい声で起こされます。どうやら、本の中に落っこちてしまったようです。逃げ出したハーブはお菓子の家をかじっている子どもたちや長ぐつ姿の猫とすれ違いながら、一軒のお城にたどりつきます。ところが舞踏会に出席している人たちの様子が変。思い出しました！ハーブは本の中の人にひげやカツラを描いたり、椅子を切り取ったりしたことがあったのです。自業自得とは言え、絵本の中でさんざんな目にあったハーブ。でもそんな彼の体験、私にはちょっぴり羨ましく思えます。 | |
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ゆかいな
ゆうびんやさん |
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アルバーグ文・絵 |
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| 「野こえ山こえ かなたから・・・」郵便やさんがやってきました。（ちゃんと赤い自転車に乗って。） 届け先は「もりのなか まるたごや 3びきのくま ご一家さま」と下手くそな鉛筆書きの文字。くまさんたちが開いてみると、手紙は詫び状で、あかちゃんのおかゆを食べてごめんなさい、こわした椅子はパパが直してくれますと、どうやら三びきのくまのお話に出てくる、あのちゃっかり者の女の子からのようです。この後も郵便やさんは、魔女に通販カタログ、ジャックから大男への絵葉書、赤ずきんのおばあちゃんになりすましているオオカミへの、弁護士事務所からの警告状など等、お話の主人公たちへの配達で夕方まで大忙しでしたって。封筒から実際に手紙を取り出して読むことが出来る、デザインも小型で素敵な絵本です。本好きさんへのプレゼントにどうぞ。 | |