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"あかちゃんのための動物絵本"特集 2005.11
赤ちゃんが出会う絵本は、「いないいないばあ」を始め、動物が主人公の作品が多いですね。けれども、擬人化されていない動物、情報や知識としての動物の本ということになると、さて、どれにしようか・・・。「写真」のほうが実物に近いという考え方もありますが、わたしは赤ちゃんには、絵本から抜け出して来るかように生き生きと「描かれた」絵本がいいと思っています。個体差や背景も、絵では取り除かれますから、赤ちゃんには動物の本質が読み取り易いはずです。ピコットが最初にお勧めする動物を描いた絵本、見慣れた表紙絵ですが、こうして並べてみると、その美しさに改めて感嘆します。 |
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どうぶつのおやこ |
薮内正幸作ー絵
福音館 ¥780.(税込) 横24.5cm×縦18.5cm 対象:0歳から |
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いぬ、くま、かば、きりん、ぞうといった、おなじみの動物が親子で描かれ、表紙にはねこ。文字なし絵本なので、好きなページを開けて自由におしゃべりしてください。絵本の中の動物のお母さんの優しさや頼もしさ、安心しきって甘える子どもたちの様子に、「わたしと おんなじ!」と、あかちゃんも共感してくれる事でしょう。 |
どこへいってた?
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ブラウン作・クーニー絵 |
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「ねこ ねこ どこへいってた?」と優しい呼びかけの後に、「あっち きょろきょろ こっち きょろきょろ ぶらぶらしてた」と、いかにも!ねこならしそうだ・・・と思わせる言葉が続きます。りすがスケートをしていたり、もぐらが梯子を使っていたりしますから、「知識の本」とは言えないのですが、それぞれの生きものの行動の特性がすくい取られた文と絵は、彼らへの感嘆や愛情も含んでいて、すてきな作品になっています。個人的に、作家・画家・訳者とも大好きなわたしとしては、地味だけど絶対お勧めしたいと力の入る一冊です。 |
いぬ おいで
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武鹿悦子作・小野かおる絵 |
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デフォルメされて犬種は特定できそうもない、たいそう個性的な2匹の子犬が絵本の中で張り切っています。「うれしい うれしい ぴき ぴき」。なめる、じゃれる、はしる、飛び上がる、嗅ぐ、掘る。いぬであればしないでいられない事のいろいろが、躍動感あふれる言葉で書かれ、そして、いぬにしかできない特徴ある動作が描かれています。この作品もある意味で、知識の本よりもっと「いぬ」を伝えるお話絵本です。姉妹編「ねこ いるよ」(武鹿悦子/直江みちる)もどうぞ。 |