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“ともだち100人できるかな?”特集その2 2005.3
このコーナーには、友だち関係をテーマにした特集、いっぱいあります。それでもまた取り上げたくなるのは、それだけ、友だちをテーマにした絵本が多いからだと思います。子どもたちの生活はその多くを「ともだち」が占めているのですから不思議でもないのですが。ちいさい人たちも、初めての別れや新しい出会いを経験するのでしょう。春はやっぱり、"ともだち"がテーマです。 |
ともだちになろうよ |
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お母さんに「友だちできた?」と聞かれるたび、「なんで ともだちなんか ひつようなの?」と思うワニ君。ともだちいなくっても楽しく遊べる。友だちがいたら、順番とか片付けとかややこしくなる。そんなふうに思っているワニ君が、ある日うさぎの女の子に誘われた。「ともだちになろうよ。」でもこの女の子、「ともだちなら、いっしょに はらっぱくらい いくものよ」とか、お花を「みみに さして」とか、要求が多くてワニ君を困惑させます。戸惑いつつしばらくの時間を一緒に過ごし、「ともだちっていうのも そんなに わるくないかな」とワニ君に思わせたものは何だったのでしょうか? それにしても、片山健作「ともだち」で、かたくななふくろうの心をとかしたのも、野うさぎの女の子でした。偶然かな?男性陣はうさぎに「ともだち」の理想像を見ているのかな・・・なんて勘ぐってみるけれど、2冊とも好きな絵本です。 |
りょうくん
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「わたし」の幼稚園には大きなどんぐりの木があって、仲の良い鳩のつがいが巣を掛けています。もうひとつ、「わたし」が心を惹かれるのは、りょう君のこと。呼ばれてもお返事もせず、友だちとも遊ばず、彼の関心は鳩や虫たちにばかり向いています。そんなある日、鳩のうちの一羽が冷たくなっていました。「おばあちゃん あのね・・・」と、女の子のやわらかな口調で語られるこの物語は、心を開かないかに見える男の子や、鳩の死と言った重いテーマを扱いながら、何故か読み終えて暖かな思いに満たされます。一度も姿を見せないおばあちゃんの存在が、お話の底辺で子どもたちや鳩を支えているのかもしれません。清水さんの作品では「はじめてのおるすばん」などが知られていますが、この絵本もぜひ手にとって頂きたいと思います。 |
ともだちがほしいの
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お引越しで、子どもの遊び場 「あそび島」に加わったふうこ。みんなが仲良しで楽しそうに遊びに盛り上がっている時、ふうこは「まいごのきもち」です。夏休みに以前の仲良しが遊びに来てくれて、元気を取り戻したものの、お休みが終わればまた「あそび島」に通わなくてはなりません。「ひとりで ほんをよんでも いいし。」と言って慰めるお母さんに向かって、ふうこは思わず叫んでしまいます。「おかあさん、ふうこは そんなことを したいんじゃないの。ふうこは ともだちが ほしいの!」 そしてふうこは、ひとりで遊んでいたはるこちゃんに気付いて一念発起、「いっしょに あそぼう!」と、とうとう声を掛けるのです。「まいご」から自分の力で抜け出した女の子のお話です。「けんかのきもち」が大ヒットの「あそび島」のシリーズ。 |