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クリスマス絵本特集"その日を過ごす" の号 2006.12
ご馳走とプレゼントを用意し、晴れ着を着て教会に行く人ばかりではありません、身近な仲間との幸せや、自分に与えられた仕事に感謝し、いつもと同じ日を過ごす人だってたくさん居ます。それぞれのクリスマス。 |
ゆうびんやのくまさん |
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P&F・ウォージントン作・絵 |
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くまさんのお仕事は郵便やさん。朝早く起きます。クリスマス・イブの朝も、まだ暗い時間に起きて、荷物の受け取りに駅へ。それから、郵便局で荷物や小包に「ばん ばん!」スタンプを押し、ほどけ掛かった包みは包みなおして、さて、配達に。くまさんが配達に行くと、みんなはとても喜んでくれます。全部配り終わり、ポストのお手紙を回収すると、やっとお仕事は終わりです。お風呂に入って冷えた体を温め、暖炉の前でくつろぐゆうびんやのくまさんは、やっと自分宛の小包を開くのです。主人公はぬいぐるみのくまさん。淡々とした語り口のお話と地道な郵便屋のお仕事。そんなお話が、不思議なことにこどもたちに大人気です。 |
ゆめのゆき
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カール 作・絵 |
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小さな農場のおじいさんは五匹の動物を世話して暮らしていました。納屋の横の小さな木とも仲良しでした。その夜も、動物たちの世話を終えたおじいさんは、お気に入りの椅子に座って晩ご飯をすませました。うとうとするうち、農場の動物たちが美しい雪に包まれる夢を見ます。目が覚めると外は本当に雪!「あっ そうだ!もうすこしで わすれるところだった」とおじいさん。暖かいコート(真っ赤な!)を着てふくろを背負って(!)、出かけましたよ。動物たちが目を覚まして見ていると、おじいさんは納屋の木をきれいに飾り、袋からイチ(うま)とニ(うし)とサン(ひつじ)とシィ(ぶた)とゴー(おんどり)へのプレゼントを木の下へおきました。小さな農場の、幸せなクリスマス。透けて見える仕掛けと、イルミネーションの光の音が、作者エリック・カールから読者へのプレゼント。 |
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クリスマスを見なかった? |
ハウイー作 ペドラー絵 |
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双子のベニーとミーアは、クリスマス・イブの雪にうきうきしながら、デパートの前で寝ているホームレスの少年ルカに会いに行きます。しかし彼は「クリスマス」という名の愛犬を見失って途方に暮れていました。クリスマスを捜す双子たち。老婦人はクリスマスは「デパート」で見つかると言い、デパートの警備員は、「それなら、クリスマス広場に・・・」と言いますが、そこにいるのは幸せそうな人々ばかりで、子犬のクリスマスは見つかりません。そこで知り合いの青年ジェイミーに教えられて教会に行くと、お腹を空かせた子犬は、ここでご馳走にありついていました。「イエス様は、世の救い主であるにもかかわらず、生まれる場所さえ用意されていませんでした。」という説教を聞いた二人は、帰る家のないルカを、「今夜は私たちの家に泊まったら?」と誘うのでした。双子は、子犬のクリスマスだけでなく、本等のクリスマスも見つけたようです。 |