|
"雪・ゆき・・・"の号 2006.2
雪の季節です。ここ名古屋にも、この冬何度目かの雪が降りました。寒いのは苦手だけど、舞い降りる雪も、見なれた街が違う街のように思える雪景色も、ほんとうに素敵です。雪国で不自由を強いられて暮らす方には申し訳ない気もしますが、今月は、雪の美しさを描いた絵本をご紹介いたします。・・・というコメントとともに2001年2月に"雪"の特集をしました。今年とよく似た冬だったのですね。すでに削除したこのページを、品切れの1冊は差し替えて復活させました。 |
このゆきだるま
|
|
岸田衿子作 山脇百合子絵 |
|
小さな女の子のもみちゃんが、赤いそりを引いて遊びに出かけました。動物たちもやって来て、「いいないいな、そり のりたいな。のってもいい?」みんなで山の上までそりをひっぱって、さあ、全員乗って"しゅるるる しゅうううううううっ!" ところが滑り降りるうち、りす君がころげ、ぶたさんがころげ、くまさんもいぬ君もうさぎさんもころげて、とうとう、そりにはもみちゃんだけになりました。もみちゃんが坂の下に着くと、そこには見なれない5つの雪だるまが…。なつかしくなるような裏山の雪景色と、リズミカルで美しい響きの文章。何度でも声に出して読みたくなる大好きな一冊です。 |
|
ゆき
|
シュルヴィッツ作・絵 |
|
|
|
男の子と犬が喜んでいます。「ゆきがふっているよ!」 街を行く大人たちはこんなに僅かばかりの雪、気にも止めません。ラジオもテレビも「雪はふらないでしょう。」と予報。けれども雪は、男の子に応えるように後から後から降って来て、ちらちら踊って、くるくる回って、ふわふわ遊んで…。やがて大人の姿の消えた通りには、男の子と犬と、そして本やさんの看板から抜けて来たマザーグースの主人公たちの楽しい時間が。こちらは石造りの異国の街。冬晴れの抜けるような青い空の下、真っ白に化粧した雪の街がきれいです。 |
|
ゆきむすめ
|
岸田衿子作 スズキコージ絵 |
|
|
|
子どもの大好きなおじいさんとおばあさんが、心を込めて女の子のゆきだるまを作ると、そのかわいらしいゆきむすめは、にっこりと笑って歩き出しました。「かみさまが、 このこを、くださったんですよ」と喜んだ老夫婦は、女の子を家に入れて、可愛がりました。しかし、ゆきむすめは、暖かくなるにつれ元気をなくして行きます。ある日、一緒に森に出かけた村の子どもたちは、焚き火を飛び越える遊びに、ゆきむすめを誘います。自分の順番が来た時ゆきむすめは、「勇気を出して」火の上をとび、それっきり、みんなの目から見えなくなってしまいました。
|