"くいしんぼうに捧げる!" 特集その2  2006.9

 本を読んでいておいしそうな場面になると、急にお腹が空くのはわたしだけでしょうか?それが食べたことのないお料理なら、いつかきっと食べたいと憧れ、(イギリスのお話に出てくるマフィンがそうでした)、お馴染みのお料理だと、今夜の献立に即登場させたくなり(カレーライス!)。困ったことに、絵本にはおいしいものの出てくるお話が多いことです。しろくまちゃんのホットケーキぐりとぐらを読んだ後で、台所に立たされたお母さん、ごくろうさま!でも、絵本とおいしいものがセットで思い出になるなんて、最高の 幸せです!

 

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あかたろうの 
 1・2・3の3・4・5

きたやま ようこ 
偕成社
¥735(税込)
横15.5cm×縦18.5cm
対象:2歳から

 あかたろうが帰ってくると、お母さんの姿がありません。台所にもトイレにもお部屋にも、お庭にも。ちょっと心細くなったあかたろうだけど、そうだ!と思いついて、おばあちゃんに電話をしました。電話番号は「1・2・3の3・4・5」。おばあちゃんは、「おおいそぎ やおやさんによって かえったはずよ」と教えてくれました。そこであかたろうが、「3・4・5の5・6・7」の八百屋さんにダイアルすると、お母さんは「おおいそぎ さかなやさんによって」帰ったはず。あたかろうは、魚屋さんに電話をし、木の実屋さんに電話をし・・・そこへ「ただいまー」と帰ったお母さんに、かごの中を当ててみせます。にんじん 1ぽん、たまねぎ 2つ、じゃがいも 3つ、えびを 4ひき、ほしぶどう 5つぶ。「わーい きょうは ぼくと おとうさんの だいすきな えびの カレーライスだね。」

 



14ひきのかぼちゃ
  

いわむらかずお作・絵
童心社 ¥1,260..(税込)
横19cm×縦26.5cm
対象:3歳から

 

 ねずみの一家がかぼちゃの種を蒔くことになって、10匹の子どもたちも大張り切り。土を耕して作った畑に蒔いた種は、可愛い芽をだして、ツルを伸ばし花を付け、やがてとても大きなかぼちゃが生りました。収穫です。・・・といっても、小さなねずみたちにはこのかぼちゃは、丸ごと持ち帰る事が出来ません。そこで、畑でかぼちゃに穴を開け、実をくり抜いてみんなでお家に運ぶのです。ねずみ一家が作ったのは、かぼちゃコロッケ、かぼちゃまんじゅう、かぼちゃの煮つけ、かぼちゃスープーにかぼちゃパイ。そうそう、種もご馳走です!
育っていくかぼちゃの様子、畑にやってくるたくさんの虫たちなどが、ねずみの目線から丹念に描かれています。畑を世話するねずみ一家もみんな個性的で見ても見ても見飽きませんね。人気のこのシリーズ、どの本にも何かしらおいしいものが出てくるのは、14ひきがとっても食いしん坊だから?



 

  ゆうちゃんの みきさーしゃ

   村上祐子 片山 健 
   福音館 ¥840..(税込)
   横27cm×縦19.5cm
   対象:4歳から

 

 ビスケットの缶をころがしてコップをのせると、缶はミキサー車になって歌いだしました。「ぼくは ゆかいな みきさーしゃ♪」 おいしいお菓子が作れると言うので、ゆうちゃんは運転台に乗って、秘密の森へ入って行きます。森で会ったミツバチ100万匹にハチミツをもらい、牛にミルク、ニワトリには卵をもらって、ミキサー車でごろごろ回しながら行くと、その奥は果物の林。そのまた奥はどこもかしこも雪をかぶった冬の森。サルたちに果物を、クマには雪を入れてもらい、ミキサー車でかきまぜながら町に戻り、公園で遊んでいる子どもたちに、ゆうちゃんは呼びかけました。「いいもの みたいもの このゆび とまれ」 やって来た子どもたちは大喜び。だって、ミキサー車から出てきたのは、とってもおいしいアイスクリームだったんですから!みんなアイスクリームだらけになって、手ですくって食べました。1000人で食べてもまだあったんですって。いいなぁ。




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