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"雪・ゆき・・・"特集その2 2007.2
本来なら雪は、寒さや飢えをもたらすものとして恐れなくてはならないはずなのに、音もなく降りしきる様子や、見慣れた景色を覆い隠す銀世界に、大人のわたしたちも何故か魅了されます。ましてや子どもたちには、雪の日は別世界ですね。今年は暖冬とか。絵本の世界の雪景色を味わってみてください。 |
はなを くんくん |
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クラウス作 シーモント絵 |
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外は深い雪。動物たちは木のうろや地面の下で、ぐっすりと眠っています。ノネズミもクマもリスも、ヤマネズミやカタツムリたちも。ところが、みんな、鼻をくんくんさせて・・・目を覚ましましたよ。そしてみんなは雪の降りしきる中を走り出します。くんくん、くんくん。動物たちが見つけたのは、雪の中に香る一輪の黄色い花でした。 |
14ひきのさむいふゆ |
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いわむら かずお 作・絵 |
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ねずみたちが暮らす森にも冬がやってきました。木の洞の14ひきの家には、みんなで収穫した食料が蓄えられ、薪ストーブが燃えて暖かです。雪の夜、家族みんなで、熱々にふかしたお饅頭を食べたりゲームをしたり、それに、何か作っている人たちもいますよ。次の朝、雪が上がった森へ出てきたねずみたち。雪ぞりで遊び始めました。夕べ作っていたのはこれだったんだね!ころんでも痛くない雪の上。ゆかいな雪遊びに、大人も子どもも夢中です。 |
ゆうかんなアイリーン |
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スタイグ 作・絵 おがわえつこ訳 |
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お母さんが、お屋敷の奥様のために作った、すてきなドレス。今夜のパーティに間に合わせなくてはいけないのに、風邪をひいたのか、お母さんは元気がありません。アイリーンはお母さんをベッドに寝かせて、ひとりで雪の中をお屋敷に向かいました。ドレスの箱は重く、風が吹き付けます。吹雪に負けまいとするアイリーンをからかうように、風が洋服箱からドレスをさらっていってしまいました。お母さんが何日も掛けて縫い上げたドレス!アイリーンはこのことをお屋敷に報告しようと、暮れかけた雪の道を、なおも歩き続けます。 いつも愉快な魔法で、あざやかに主人公を窮地から救う作家スタルグが、このお話では、暖かな結末でアイリーンの勇気にむくいています。いいえ、これもまた魔法なのかもしれません。ドレスがどうなったかは、読んでみてのおたのしみ! |