"待ってる間に・・・"の号  2007.6

 だれかを待つのって、ドキドキ・ワクワク。でも、それは相手が、ぴったりの時間に期待どおりの姿で現れるまでのこと。時間を過ぎても会えない時、「そろそろ・・・」と思っても期待に応えてもらえないとき、あなたなだったら、「もう少し待ってみよう。」と思いますか?それとも、ムッと不機嫌になりますか?実はわたしは待つのが苦手。なのに、どうやらよく待たせるタイプのようです。ごめん!ここでご紹介する絵本のように、優しく待って欲しいと思ってしまいます・・・。

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まだかな

まつおか たつひで写真
ポプラ¥1,155(税込)
横22cm×縦28.5cm
対象:2歳から

 お友だちと待ち合わせの、かえるのぼうや。座って川面を眺めています。めだかさん、とんぼさん、バッタさん、みんな楽しそう。「まだかなぁ」 うしがえるさんがジャンプして、とんぼさんを捕まえた!を捕まえに、かわせみさんも・・・。きゃあ、こわい。にわか雨が降って来たので、お母さんが心配して様子を見に来ました。「もうすこし まってみるよ。」とかえるくん。雨が上がってきれいな虹が出たころ、やっと仲間たちがやってきましたよ!
 じっと座ったままのかえるくんの前に展開する、川の生き物たちの暮らし。やっと会えたみんなと、嬉しそうに遊ぶかえるくん。小さい人向けの知識絵本としても使える、ある日の水辺のおはなしです。


 



まってる

森山 京 渡辺洋二
偕成社¥1,260(税込)
横21cm×縦25.5cm
対象:4歳から

 道ばたで出会っておしゃべりを始めた、うさぎくんとぶたくんですが、その時うさぎくんは、畑に水をやらなくてはいけないのを思い出しました。「ぶたくん ここで まっててよ。じきに もどってくるから」と、うさぎくん。うさぎくんが水をやっていると、くまくんが新しいトランペットを見せにやってきました。そこへきつねくんもやって来て、三人は楽器に合わせて踊るやら、トランプをするやらで盛り上がり、一緒においしい物を作って食べて、とうとう夕焼けの時間。窓のカーテンを閉めようとしたうさぎくんは、「あっ、わすれてた!」。かんかんに怒って帰っただろうと思って、謝りに駆けて行くと、なんとまあ、ぶたくんはまだ別れた場所に寝転んで、うさぎくんを待っていました。「またせて ごめんね」と言ううさぎくんに、「まってて よかったよ。」とぶたくんは答えます。
 待っている間、ぶたくんがどんなふうにして過ごしたかは、絵本を見てのお楽しみ。ぶたくんみたいな穏やかな人になれたらなあ・・・。



 

もうすこし 
 まってくれたら・・・

シック作 トゥヴェ 
いまい あや
シェット婦人画報 ¥1,260.(税込)
横20×縦17.5cm
対象:小学生から

 毎日会いに行くちいさな木が、ある日、花を付けた。「この花を きみにあげる」と、木は言った。でもできれば、もう少しだけまってほしい、と。このきれいな花が、どんなくだものに変わるか楽しみで、「ぼく」は待った。やがて枝の先には、きれいな緑色の実が・・・。すると木はまた言うんだ。・・・できれば、もう少しだけまってほしい。こんなふうにして待って、待って、やがて木の実が赤く色づくと、木は「ぼく」に、「さあ、めしあがれ」 でもその果物を土に埋めれば、そのうち芽がでて、あたらしい木がはえてくるんだよ。けれども、もしも果物を土にうめてしまったら、ちいさな木との大切な約束が、どこかに消えてしまうのではないだろうかと、悩む「ぼく」ですが−。
 いつまで待たなくてはいけないのだろうと、少しだけ焦れた読者も、果たされた素敵な約束に、心が温かくなることでしょう。ミステリアスな「ぼく」の存在も魅力。




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