|
“季節はめぐる”の号 2008.4
四季のある国に住んでいることに喜びを感じる人は多いと思います。それでいて、慌しい毎日を過ごしていると、季節の移ろいを見過ごしてしまいがち。そんなわたしたちも、春には、新しい季節の沸き立つような気分を味わいますね。小さい人が身近にいれば一層、四季のある暮らしを楽しめるかもしれません。ちょっと手を休めて、季節を楽しみませんか? |
木のうた |
|
マリ作 ほるぷ ¥1,427.(税込). 初版1973(日本語版1977.12) 横21.5cm×縦21.5cm 対象:2歳から |
|
|
|
一本の木が立っています。枝に葉は無く、根方には眠るシマリス。冬のようです。やがて枝に若芽が芽吹き始めると、生き物たちも活動開始。この大きな木には、鳥が巣を作って子育てし、リスもここを拠点とします。枝いっぱいに葉を茂らせて夏を過ごした木は、やがてその葉を赤く紅葉させ、動物たちも冬の支度を。同じ構図で季節を描いた文字なしの絵本ですが、それぞれのページの生き生きと美しいこと。描かれた35年前と変わらず季節が流れているのを感じます。 |
ハーニャの庭で |
|
どい かや文・絵 偕成社 ¥1,365(税込). 初版2007.4 横21.6cm×縦25.5cm 対象:4歳から |
|
猫のハーニャがお家の人たちと暮らす家の小さな庭。そこには、カマキリやチョウなどたくさんの小さい生き物たちも住んでいて、それに季節の移ろいに合わせてさまざまのおきゃくさんも訪れます。うさぎ、うぐいす、お隣の犬や奥さん、渡り鳥、草花の種たち。ハーニャには赤ちゃん猫が生まれ、季節は今年も巡って行きます。変わらぬ自然を小さな庭にとじこめた、美しい一冊。生き物たちの喜びに満ちた暮らしが、いとおしく思えます。 |
ちょうちょう ひらひら |
|
まど みちお文 にしまき かやこ絵 |
|
ちょうちょうが飛んで来て、うさちゃんに止まったよ。うさちゃん、うふふ。ちょうちょう、こんどは鹿さんに。ちょうちょう止まらず、ゾウさんはえーん。止まっては飛び立つちょうちょの動きに視線を奪われる、春の1日。小さい人たちの感じる"春"です。 |