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“友情がゆらぐ時”の号 2009.10
絵本のテーマに、苦しい友情など取り上げるのはどうなのかと迷ったこともありましたが、思いのほか子どもたちには、こういうお話も受け入れられます。ある日なかよしに対して、「もうなかよしじゃない」と感じられた苦い経験をしている子も、きっと多いのでしょうね。 安定した友情なんていうものは無く、大切にしたい人間関係は、いつも大切に編み続けて行かねばならないものだよ。友情を手放さないでねというメッセージを込めて、今月はこの3冊です。 |
But I like You きらいですき |
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みやもと ただお文・絵 ウェスマン英訳 |
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ぶたくんはうさちゃんが嫌い。だってなわとびがぼくより上手だから。だけど、ぶたくんはうさちゃんが好き。鼻のピンクと耳のピンクがおそろいだから。こんなふうに、好きなところと嫌いなところを(たとえそれが自分勝手な理由であっても。)はっきり言えたら、むしろ友情も深まりやすいかもしれませんね。うさぎちゃんとたぬきちゃんの関係も、たぬきちゃんとくまちゃんの関係も、「すき」と「きらい」がセットです。「きらい」という気持ちを見ない振りすることはないんだ・・・とわかると、心が自由になりますね。 |
あんなに |
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さかい まり文・絵 ひさかたチャイルド ¥1,260.(税込) 初版2009.6 横21cm×縦23cm 対象3歳から |
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2ひきのこぐまは仲良しです。でも、活発なだいが大人しいちいのことを、笑ったりからかったりしたのがちいには辛く、だいに、「もうあそばない」と言います。「ちゃんといってくれなくちゃ わからない」と、一生懸命にその訳を聞くだい。そして、あんなになかよしだったのに、ぼくの言葉が壊してしまったと、彼はひとり考え込むのでしたが・・・。仲良しって、こんなことがあってもっともっと仲良くなっていくんだと、小さい人たちに体験して欲しい。そんなお話です。 性格の違うふたりの友情については、「サッサとモタの はじめまして」(ひがし あきこ/偕成社)もお奨めです。 |
ともだちくるかな |
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内田麟太郎文 降矢なな絵 |
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オオカミさんの誕生日。仲良しのキツネくんがお祝いに来てくれるのを楽しみに待っていたのに、その日キツネくんはとうとう来ませんでした。翌日になってもその事が寂しくて悲しくて、あまりの辛さにオオカミさんはとうとう、心を捨ててしまおうと・・・。そこにやって来たのは、ステキなプレゼントを抱えたキツネさん。 |