“小学生に読むなら・・・”の号 2009.11

 小学校での、地域の方による読み聞かせ活動が盛んです。(読み聞かせという名称の是非はともかくとして。) 「どんな本を読もうかしら・・・」と、ボランティアさんが情報を求めてご来店くださる事もちょくちょくあります。絵本は小さい方だけのものではないと認められたことも、本好きな一般の方が、学校で子どもたちと一緒に絵本の時間を持てることも、絵本屋としては嬉しいことです。今月は、学齢期のこと一緒に読みたい絵本を選んでみました。ご家庭でも是非どうぞ!

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いしになった
   かりうど

  モンゴル民話

大塚勇三再話 赤羽末吉 
福音館
¥1,470.(税込).
初版1970.12
横23cm×縦31cm
対象:6歳から

 若い狩人のハイリブはある時、鶴にさらわれそうになった白ヘビを助けます。実はその白ヘビは竜王の娘で、ハイリブはお礼に、竜王の「獣の言葉がわかる宝の玉」を手に入れることになりました。その玉は狩人の仕事の助けになりましたが、白蛇からは、玉を通して聞いたことを決して人にしゃべってはいけないと言われていました。
 ハイリブはこの玉のおかげで幸せに暮していましたが、ある時、明日にも山が崩れ洪水が起こるという獣たちの話を聞きつけます。村の人を逃がさなくては!しかし、村人たちはハイリブの言葉を信じられず、なぜそんなことを知っているのかと訳を聞くのです。自分だけ逃げる訳にはいかない。しかし宝の玉のことを話せば自分に災いが・・・。
 モンゴルのお話ならまず「スーホの白い馬」を思い浮かべますが、この狩人の物語も胸に深く沁みます。限定復刊ですので、お求めはお早めに。


かりのけい

吉田遠志文・絵
リブリオ 
¥1,785.(税込)
初版2001.4復刊
横30cm×縦22cm
対象6歳から

 百獣の王ライオンにとっても、狩は命がけです。わかいライオンたちは、イボイノシシの赤ちゃんに逃げられ、スカンクに臭いおならをかけられ、母サイの逆襲にあい・・・と、遊びながら狩について学びます。そうして出会ったヌーの群れ。わかいライオンたちにとっての初めての狩に機会ですが。
 お母さんライオンがヌーを襲って倒してみせる最後では、この場面をどう読もうかと迷う方もあるかもしれません。わたしは子どもたちを信じて、自然界の厳しさも避けずに伝えるようにしています。妥協のない吉田さんの絵にも助けられます。


 



いたずら五にんぐみ
   オチョグニ

パク・ヨンチョル  
星あキラ&キム・ソンミ共訳
瑞雲舎
¥1,575.(税込).
初版2009.6
横27cm×縦23cm
対象:6歳から

 むかーしむかしの天の国のお話。そこでは5人組のオチョグニたちが、いたずらをして人々を困らせていた。お怒りになった天の国の王様は、5人を捕らえ、天の国の端っこので暴れている恐ろしい化け物ゴンを捕まえてくるよう言いつけた。すばしこくて恐ろしくて力の強いゴンをどうやって捕まえるか。捕まえなければ5人の罪は許されない。そこで5人組は調べに調べ、作戦を練るのですが・・・。韓国の寺院などの屋根の魔よけであるオチョグニにまつわる、のどかでユーモラスなお話です。



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