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“ぎゅっ”の幸せの号 2009.3
大好きな誰かさんの“ぎゅっ”は、子どもたちの気持ちを満たします。だから、嬉しい時、寂しい時、そして悲しい時と、いつでも子どもたちは、大好きな誰かさんの“ぎゅっ”を求めて来ます。そして、子どもの気持ちを受け止めたことのある人は、みんな知っていますよね。その時子どもたちが小さな手で返してしてくれる、たどたどしい“ぎゅっ”が、どんなに大人の気持ちを満たすかを。絵本の中に登場するたくさんの“ぎゅっ”の場面。そのなかでも特別にお気に入りの三冊です。 |
おかあさんになるって |
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内田麟太郎文 中村悦子絵 |
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うさぎのミミちゃんとターくんは、公園にやって来ました。ふたりは持って来たお人形で「お母さんごっこ」をすることに。ミミちゃんの考えでは、お母さんになるというのは、子どもの名前を呼んだり手をつないだりすること。それから子どもの心配をすること。・・・。大変、お人形のもこちゃんのおでこが熱い。「おねつが あるわ!」 お医者さんになったターくんが、お薬を飲ませて、「だいじょうぶです」と言ってくれたのに、お熱はなかなかさがりません。一晩中寝ないで看病した翌朝に、ようやく元気になったもこちゃんを、ミミちゃんは思わずぎゅっと抱きしめました。心配して、ぎゅっと抱きしめて、思わず涙が出るのが、「お母さんになるてってこと」なんだと、ミミちゃんは思うのです。 |
だいすきひゃっかい |
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村上しいこ文 大島妙子絵 岩崎 ¥1,365.(税込) 初版2007.8 横22cm×縦25cm 対象4歳から |
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もうお布団に入る時間なのに、なぜだか眠る気持ちになれないはるな。お母さんは、「おねえちゃんが さわいでいたらおかしいでしょ」と注意します。そのお母さんに、「なぞなぞしよう!」とはるな。出した問題は「ねるまえに、はるなが いくのは どこでしょうか!」 お母さんの回答はどれもとっても愉快だけれど、残念ながら全部ハズレです。 |
あさえと |
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筒井頼子文 林明子絵 |
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急いでお使いに行ってくるからと、眠っている妹のことをお母さんはあさえに頼んで出かけました。ところが、妹のあやちゃんはすぐに目を覚ましてしまいました。そして、電車ごっこであそんであげようと、あさえがチョークで線路を描いているわずかの間に、あやちゃんはいなくなってしまいます。あさえは大慌てで、お母さんとよく行く公園に探しに駆け出しました。大通りから聞こえるブレーキ音にドキドキ、怖そうな男の人が連れている小さな女の子をみてドキドキ。そうして、駆けに駆けて飛び込んだ公園の砂場で、あさえはやっとあやちゃんを見つけます。 |