“おひゃくしょうさん”の巻 2009.5

 スーパーに行けばいろんな食材が並んでいますから、わたしたちの食生活が、春に種を撒き秋に採り入れるというサイクルに支えられているのだということを、つい忘れがちですね。考えてみれば、土に埋めた小さな種が大きく育つのは、ありがたい自然な恵みです。「おいしい」の始まりのおはなしを、お子さまとどうぞ!

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おおきなかぶ 

   ーロシアの昔話ー

トルストイ再話 内田莉莎子
伊藤忠良 
福音館
¥840.(税込).
初版1962.5(こどものとも)
横29.5cm×縦19cm
対象:2歳から

 おじいさんが、畑にかぶを植えました。おじいさんのお世話と愛情をたっぷり受けて、かぶは「とてつもなく」大きく育ちました。さて、お話はここからです。あんまりかぶが大きいので、おじいさん1人では抜くことが出来ません。そこで、おじいさんがおばあさんを、おばあさんが孫を・・・と次からつぎへと助っ人を呼んで、みんなで引っ張りに引っ張ります。そのたび繰り返される「うんとこしょ!どっこいしょ!」の掛け声が、この絵本の楽しさです。最後に、小さなねずみが加わってようやくおおきなかぶが抜けるところや、みんなで舌鼓を打ったであろう食事風景を省いて読み手の想像力に委ねたあたりも、これぞ絵本の表現方法と思わされるところです。こうして手にすると、この絵本の完成度の高さを改めて感じます。子どもたちに読み継がれるだけの魅力を持つロングセラーです。


おむすびさんちの
     たうえのひ

かがくい ひろし文・絵
PHP 
¥1,260.(税込)
初版2007.5
横19.5cm×縦25.5cm
対象4歳から

出版社のご都合によりカット画像を削除しました。

 きょうは晴天。おにぎりさんちの田植えの日です。近くの村からは、おいなりさんやのりまきさん、たらこさんにしゃけさんも手伝いに来てくれて、ひろーい田んぼを、みんなで並んで、せっせのせ、せっせのせ。そこへ、いかさんとたこさんが駆けつけて来て、せっせこせっせこシャカシャカシャカ・・・。なにせ、足が八本ありますからね。 
「だるまさん」シリーズでブレイク中のかがくいさんの、食べ物グループ(?)の1冊。デビュー作「おもちのきもち」(講談社)も一緒にどうぞ。


 



ぐりとぐらと
 すみれちゃん

なかがわりえこ やまわきゆりこ
福音館
¥840.(税込).
初版2000.4(こどものとも)
横29.5cm×縦19cm
対象:3歳から

 ぐりとぐらの畑には、にんじんやいんげんが元気に育っています。ふたりは朝ごはんににんじんの葉っぱ入りオムレツを食べて、大満足。自分たちの畑をほめ、自分たちを「りっぱなお百姓さん」と自慢し、次はかぼちゃを作ろうかと話しているところへ、ちょうどやってきたのが、すみれちゃん。おみやげの大きなかぼちゃをリュックに背負って!おいしいものが好きで気前も良いのが、ぐりとぐら。さっそく仲間とかぼちゃパーティ。そして勿論、残った種はふたりの畑に。



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