“樅の木たちのクリスマス”の号 2010.12

 クリスマス飾りの中心である樅の木。美しく装われて晴れ舞台にたつ樅の木たちですが、その日までには様々な物語があり、そしてその後にもまた・・・。クリスマスは、まさに樅の木にとって運命の日なのです。絵本作家たちの描く“もみのき”をどうぞ!

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ちいさなもみのき

ファビエンヌ・ムニエ 
ダニエル・エノン 
河野万里子
ほるぷ出版
¥1,050.(税込)
初版2006.9.30
横15.5cm×縦22cm
対象4歳から

 ちいいさなもみのきは、立派なもみのきの立ち並ぶ森に憧れていました。冬のある日、もみのきは、きこりに町へ連れて行かれてクリスマスツリーとして売られます。ちいさなもみのきを買ったのは、小さなおじいさんと小さなおばあさん。大きなもみのきたちの森で暮らす夢が叶わない事を悲しく思うもみのきは、二人が祝う慎ましくも幸せなクリスマスを一緒に楽しむことが出来ません。ところがクリスマスが終わった時、「いちねんのおわかれね。」と心優しい老夫婦が、もみのきを連れて行った場所は・・・。


 

 

ちいさなもみのき

マーガレット・ワイズブラウン 
バーバラ・クーニー
 
かみじょう ゆみこ
  
福音館 
¥1,155.(税込)
初版1993.10.20
横19cm×縦2.1.5cm
対象:4歳から

 

 原っぱに一人ぼっちで立っていたちいさなもみのき。ある日、シャベルを持ったおじさんがやって来て、足の悪い息子のためにと、そのもみのきをこいで行きます。もみのきは家の中に飾られて子どもたちとクリスマスを祝いました。夏の間元の場所に戻されたちいさなもみのきは、次のクリスマスにもまた、足の悪い息子に迎えられました。そして、3度目の冬。雪が降っても迎えに来てもらえず悲しい気持ちで立っているもみのきの原っぱに、クリスマスキャロルが流れて来ます。聖歌隊の子どもたちの中には、足の悪かった男の子もいました。今年は子どもたちが、もみのきの所へクリスマスをお祝いしにやって来たのです。

 




アンデルセン 

もみの木


N・E・バーカート
中村妙子
新教出版社
¥1,575.(税込)
初版2010.9
横14.5cm×縦21.5cm
対象:6歳から

 暖かな日の光とさわやかな空気のなかで、もみの木は、その素晴らしい場所を楽しむよりも、早く大きくなって森を出て行くことばかりを願っていました。ある年の冬、とうとうその時はやって来ました。切り倒され、暖かな部屋運び込まれて、飾りたてられたもみの木。有頂天になったもみの木ですが、晴れ舞台は一夜限りでした。
 なぜアンデルセンのお話は、いつも物悲しい結末を迎えるのでしょう・・・。子どもの頃にはそのことに反発を感じましたが、大人の今は、それとは違う受け止め方が出来ます。教訓として読み取るにはあまりに深いものが読み手を捉えて、しばし余韻に浸らせてくれます。


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