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“じ〜っとしてね・・・”の号 2011.6
森や野原に出かけたとき、あなたなら自然とどう向き合いますか?人間社会では積極性や自己主張が、素晴らしい出会いに結びつくことも多いのですが、自然に対する時には、その方法が上手く行くとは限りませんね。自然の中で最初にすべきは、五感のすべてを開いてじっと相手を感じることでしょう。この絵本のうさぎや女の子や写真家のように。 |
ふうとはなと うし |
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いわむら かずお文・絵 |
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野ウサギのふうとはなが遊びに出かける時、お母さんはこういいます。「だれか きたら、くさのかげで、じっとしているんだよ。」ふむふむ、人間のお母さんだったら「こんにちは!っていうんですよ。」と教えるところなんですけどね・・・。さて、足音を聞いて隠れる野ウサギたちに話しかけたのは、農場の牛さんでした。「うしは うさぎを たべないよ」という言葉に、ようやく緊張を解いて、牛さんとなかよくなったふうとはな。この牛さんにもうすぐ赤ちゃんが生まれるというお話を聞き、その時を待ち遠しく思う子ウサギたちでした。 |
わたしと あそんで
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マリー・ホール・エッツ作 |
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原っぱへ遊びにでかけたわたし。葉っぱの上にいたバッタは、一緒に遊ぼうとすると逃げて行きます。かえるも、かめも、りすも、カケスも、みんなみんな、「あそびましょ。」と近寄ると逃げて行ってしまいます。だあれもあそんでくれないので、わたしは池のそばに座りました。ところが、わたしがじっと動かないでいると、やがてみんなはわたしの側に戻って来たのです。 こうして「わたし」は、じっと静かに動かずにいることで彼らと仲よくなれる、その幸福感を知ったのでした。エッツの作品のなかでも、わたしはこの絵本が一番好き。与田さんやわらかな言葉の調子が、エッツの筆使いと共鳴するかのようです。声に出して読んでみてください。 |
ノースウッズの森で |
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大竹英洋文・写真 福音館 ¥1,575.(税込) 初版2005.9.1(たくさんのふしぎ) 横19.5cm×縦25.5cm 対象:小学生から |
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北アメリカのさらに北、ノースウッズの野生に魅せられた写真家・大竹さんが、その過酷な環境で暮して撮った、動物と自然の写真集。耳を澄まし息をひそめて森を歩くその緊張感や、動物に出会ったときの感動が、写真に添えられた文章からも伝わって来ます。その中に、「森の中で自然をよく知りたいと思ったら、じっとしていることも大切なことです。」という部分があり、上段でご紹介した「わたしとあそんで」を思い出さずにいられませんでした。移り行く四季の中で写真家が出会ったのは、ウズラの親子、沼のムース、眠っているかのようだった鹿の赤ちゃん。念願のオオカミとの出会いはまだのようです・・・。 |