“火の絵本”の号 2011.8

  原始、わたしたちの祖先は、火への憧れと恐れの両方を持っていたことでしょう。やがて火を手に入れると、彼らの生活は劇的に変わったに違いありません。今、わたしたちがお祭りやキャンプで焚き火を囲んでいる時、不思議な高揚感につつまれるのは、そんな時代の記憶が細胞のどこかに残っているからですね。薪を積んで火を起こすような機会が少なくなった今も、やはりわたしたちにとって火の存在は魅力的です。

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ひ ぼうぼう

新井 洋行・絵  
童心社
¥840.(税込)
初版2011.6.14
横19cm×縦19cm
対象:1歳から

 ぽっと灯った小さな火が、だんだん燃え立ち、めらめら燃えて大きな炎となって、そして又小さな火種に戻っていく。そんなシンプルなストーリーですが、黒い画面の上を赤い炎が表情豊かに動き、擬音を多用した文章もリズミカルで印象的な一冊です。乳児向けに描かれているようですが、幼児さんにもおすすめです!


 

 

ねこの はなびや

渡辺有一文・絵   
フレーベル館
¥1,260.(税込)
初版2001.6
横21cm×縦26.5cm
対象:3歳から

 海の花火大会。猫の花火屋さんは、しろねこ組くろねこ組しまねこ組で技を競います。たくさんの花火の玉を積んだ船が海に漕ぎ出すと、夕闇がおとずれ、次々と打ち上げられる花火のきれいなこと!どの組の花火も見事で、観客もうっとりです。画家の得意な青系がたっぷり使われ、二度開く仕掛けも効果的なこの絵本。きっと、自身の夏の体験と重なって、小さい人たちの心を引き付ける一冊になることと思います。

 




火と炭の絵本

       火おこし編


すぎうら ぎんじ
たけうち つーが
農山漁村文化協会
¥1,890.(税込)
初版2006.3.5
横22cm×縦26.5cm
対象:小学生から

 火を手に入れた頃のことや、火を使って金属を加工できるようになった頃のこと、火を保つための炭の発見などの、人間が火を使いこなせるようになってきた歴史。それに火おこしのいろいろと、焚き火の仕方。火と付き合うために知らなくてはいけない基本が、順を追って説明されています。怖がらず、安全に火を使える人になりましょう!最後には、バーベキューと炭作りも出てきます。


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