わたしはひろがる”の号 2012.8

 

 地震と原発事故の後、子育て中のお母さんたちの意識が変わったように感じています。「この子たちの未来は・・・」と、希望や疑問を言葉にする方が多くなったのです。
 「大人として今しなくてはいけないことをしつつ、子どもたちを賢く育てましょね・・・」と、話し合うようにしています。環境や将来について、自分の考えを持てる。意思表示できる。それが本当の賢さですよね。わが子を賢い人に育てるために、まず大人の方に、こんな絵本を手にして頂きたいという気持ちで選んだ、今月の3冊。重いテーマですが、知ることが第一歩だと思います。

もう1冊・ブログに・・・→ さがしています アーサー・ビナード/岡倉禎志/童心社

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へいわって どんなこと?

日・中・韓平和絵本 シリーズ

  浜田桂子文・
  童心社
  \1,575.(税込)
  初版2011.4
  横22.5cm×縦21cm
  対象:5歳から 

 

 大好きな人といっしょに、ごはんをたべたり、歌をうたったり、ぐっすり眠ったりする普通の暮らし。それが、平和ということ。 だから、殺し合ってはいけない。平和って、「生まれてきてよかった」ということで、君とぼくが「友だちになれる」いうことだから。
 平和について、子どもたちにもわかりやすく描かれた絵本です。平和って当たり前の暮らしのことなんだよ、そしてそれが何より大切なことなんだよ、ということが伝わってきます。残念ながら世界中で今も、様々な事情や主張が入り組みねじれあい、争いが起こっています。争いにNOと言う力を持てる人にならなくては。育てなくては。

 


 

 8月6日のこと
中川ひろたか
長谷川義史
中川うみ/アレクサンダー・モゾロフ
河出書房新社
\1,365.(税込)
初版2011.7
横19.5cm×縦26.5cm
対象:小学生から

 

 瀬戸内海の島で生まれたわたしのお母さん。少女時代にこの国で戦争があり、大好きなお兄さんが兵隊にとられたので、差し入れのためにお兄さんの駐屯地に通いました。ある日、わたしのお母さんは、お兄さんの軍のある辺りの空がピカッと光ったのを見ました。何が起こったか分からないままお兄さんを訪ねましたが、その町は変わり果て、駅も電車もなくなっていました。お兄さんもいなくなってしまっていました。お兄さんに食べてもらえなかった食べものを持って帰る時、お母さんはどんな気持ちだったでしょう。これは66年前ほんとうにあったお話です。

 


 

 わたしはひろがる

岸武雄
長谷川知子
子どもの未来社
\1,785.(税込)
初版2010.2
横21cm×縦24.5cm
対象:小学生から

 

    

 弟の気持ちがわかるようになり、疲れたお母さんを手伝えるようになり、勉強は友だちと競うことではないと気づき、心が広がっていくことを感じる“わたし”。学んで、社会や歴史を知り、時に心を弾ませ時に胸を痛め、そのことの本当の意味を理解した時、自分が広がっていくことを感じる“わたし”。目を瞑ってしまわないで、勇気を出して、正しく見る力を手にしていく少女の姿が、飾らない言葉で書かれています。作者は教壇に立ちながら児童文学を書いてこられた、岸先生。


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