くいしんぼうに捧げる特集その5 なぞだらけ!”の号 2012.9

 

 絵本で扱われるテーマで食べ物が圧倒的に多いのは、当然と言えば当然。子どもたちが、食べることが大好きだからです。せっせと体を育てている最中の彼らには、「食べろ!食べろ!たくさん食べろ!」・・・という本能の声が、いつも耳の奥で鳴り響いているのでしょうね。ということで、久し振りにくいしんぼう特集です。食欲の秋ですよ!                                                   新刊にも“くいしんぼうさん向け・・・→ ぐるぐるカレー

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3びきのくま

  レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ
  ユ−リ−・ワスネツォフ
  小笠原豊樹
  福音館
  \1,155.(税込)
  初版1982.11
  横23cm×縦28cm
  対象:3歳から 

 

 だれでも知っている・・・と言っていい昔話。森で迷子になった小さな女の子が、三人のくまさんたちの家に入り込んで、小さいクマのイスに座り、小さいクマのお匙で小さいクマのスープを食べ、そして小さいクマのベッドで寝てしまうという、あのドキドキのお話です。この本を手にするたび、初めてこのお話を聞いた子どもの時の驚きが甦ります。(わたしも、そのころは小さい女の子でした。^^) お話の中とは言え、よそのお家のスープを勝手に飲んじゃっていいの?と驚き、そんな所で寝ちゃったら危ないんじゃないの?と驚き、その後には何故か、クマのお母さんは女の子を助けてくれなかったんだ・・・という落胆も。女の子が目を覚ましてとっとと逃げて行ってしまって、お話はあっけなく終わります。わたしのいくつかの「???」を置き去りにして。
 紹介する福音館版は、イギリスの昔話をロシアの文豪トルストイが再話しています。

 


 

クマくんの はちみつぶんぶんケ−キ
柳生まち子 作・絵
福音館
\780.(税込)
初版1994.10
横18.5cm×縦18.5cm
対象:3歳から

 

 クマ君は得意のはちみつぶんぶんケーキを作ろうと、ミツバチおばさんのところに行きました。おばさんの小屋のペンキ塗りをしてあげて、ビンいっぱいのハチミツを貰ったクマ君。途中で出会ったブタさん一家を、後でお茶においで!とお招きし、張り切ってケーキを焼きます。子どもにも分かる絵付レシピのページの次には、オーブンの中でぶんぶんケーキが焼けるまでの待ち遠しい時間のページ。いい匂いがして、ケーキを冷ましながらお茶の用意をしていると、お客さんたちが到着しました。クマ君はぶんぶんケーキを8個に切り分けてますよ。お客さんは5人とひと組。それにクマ君。残りの1個はどうなるのか、それがとってもとっても気になる最後です。(^^)
 「バタつきパンのジャムつきパン」と2冊セットのケース入りは税込¥1,560.。キッチンでのお手伝いが楽しくなります。

 


 

 じゃがいもポテトくん

長谷川義史作・絵
小学館
\1,575.(税込)
初版2010.7
横22cm×縦27.5cm
対象:4歳から

    

 じゃーむすはじゃがいも。北の国から、家族親戚一同で町の八百屋さんにやって来ました。お父さんのじゃっくが山田さんに買われ、母さんのじゃじゃりんが吉田さんに買われ、妹のいもーぬが田中さんに買われ、とうとうじゃーむすも青木さんに買われて、一家は散り散りになりました。ところが、コロッケになったじゃーむすが、お弁当に詰められて行った先の幼稚園で、一家は思わぬ再会をすることに・・・。
 美味しいおかずに変身して再会出来た一家に、よかったね!と言いたい所ですが、じゃがいもたち、食べられるのを喜びと思ってくれるかしら?じゃがいも、食べたいような申し訳ないような。(^^)/


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