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“みんなとちがうところ・・・”の号 2013.8
ともだちと自分の「違うところ」に気付くようになったのは、わたしは多分幼稚園の頃。でもそのことについて深く考えるようになったのは、小学校も高学年くらいからかと思い出しています。その「違うところ」は、ちょっと嬉しく思える程度のことであったり、気分の沈むことであったり。でもそういう経験があって、自分という存在を認識し受け入れてこられたのでしょう。あなたはどうでしたか? |
ぼくは ここにいる |
ピ−タ−・H.レイノルズ 文.絵 |
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友だちが大勢で遊んでいる。さわがしく楽しそうな声。でも、ぼくの耳にはそれが、ガンガンと大きな音となって響く。だから、みんなはむこう。そして、ぼくはここにいる。ぼくが楽しめるのは、やさしく吹く風やクルクル回る葉っぱ。その時、白い紙が落ちてきたので、ぼくは紙飛行機を折って、それを力いっぱい空へ飛ばしたよ。“ぼくが ここにいいる!”と。 すると紙飛行機は、むこうにいるみんなの所に届いて・・・。 |
わたしのすてきな たびする目 |
ジェニー・ス-・コステキ=ショ− 文・絵 |
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わたしの左目は、右目と別の方向を見る。美しいものや素敵なものをみつけるのが、この左目=旅する目。右目が数字を読んだり地図を見たりして案内してくれるから、わたしは大丈夫。「イグアナの目」とからかわれても平気。本来の視線とはちがう方向に向いてしまうの右目を、とっても素敵だと思っている女の子だったが、ある時“斜視”の治療を受けることになった。 |
フレデリック |
レオ・レオニ 文・絵 谷川俊太郎 訳 |
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近づく冬に備えて、仲間の野ねずみがせっせと食べ物を集めて働いている間、フレデリックは座り込んでじっと景色を眺めていた。「どうして きみは はたらかないの?」と聞かれると彼はと答えた。「こうみえたって はたらいているよ。」 さて、冬。蓄えた食べものも乏しくなり、寒さに凍えるようになると、フレデリックは秋の間に溜めこんでいた“ことば”を取り出して、みんなに聞かせた。お日さまの光や美しい色でいっぱいの景色、めぐる季節についての詩。そして、仲間の心に「暖かさ」や「楽しさ」を思い起こさせた。ことばで仲間を幸せにする、詩人という仕事をえらんだ野ねずみのお話です。 |