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“切り絵の絵本”の号 2013.10
一枚の紙から物の形や景色を切り取っていく、切り絵。うっかり者のわたしなどは、、余分なところを切ってしまったらやり直しがきかないこういう作業には、とても手が出せません。切り絵というのは、冷静さと芸術性を兼ね備えた特別な人にしかできないのでは・・・と思ってしまいます。一枚の絵になるだけでもすごいのに、どうですか、この芸術性!切り絵の繊細さ、力強さ、美しい線をお楽しみください。 |
紙のむすめ |
ナタリ−・ベルハッセン文 |
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1枚の白い紙から切り出された娘が、紙の世界にひとりで暮らしていました。語り合う相手がいないことを寂しく思っていた娘の庭に、ある時紙の木が生え、娘はこの紙から動物や鳥を切り抜きます。生きものたちに囲まれてもでもまだ大事な何かが足りない気持ちで、娘は隣の丘に一件の家を切り抜きます。すると・・・。か弱く見える紙の娘が、強い思いで自分の運命を切り開きます。 |
モチモチの木 |
斎藤隆介 文 |
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山奥でじさまと二人暮らしの豆太。もう5つになるのに、うちの前のモチモチの木が怖くて、夜中にひとりでおしっこにも行けない。ところがある夜中、クマのうなり声に目を覚ますと、それはクマではなく、じさまが苦しむ呻き声だった。医者さまを呼ばなくちゃ! 豆太は寝巻のまま飛び出して、ふもとの村に向かって、走った。泣きながら走った。村の医者様に薬箱と一緒に背負われ山に戻った時、豆太は、不思議なものを見た。モチの木に火が灯っている! 元気になったじさまは、それは山の神様の祭りだったのだという。勇気のある子どもの豆太にはそれが見えたのだと。 |
どうぶつ島たんけん |
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昆虫カメラマンでもある今森さんが、これまで出会ってきた生きものたちを切り絵で見せてくれます。カメラマンとして自然界を見てきたせいでしょうか、彼の切り出す動物や昆虫は、その動きや特徴が正確に捕らえられていて、生き物好きを大いに満足させてくれます。全点に作り方と型紙もついていますから、読者も今森作品が作れますよ。そうそう、切り絵作家は、「ペーパーカットアーティスト」というらしいです・・・。 |