が降ると・・・”の号 2014.7

 雨の日を「お天気がわるい」なんて表現しますけど、わたしたちの暮らしは雨なしには立ち行きません。洗濯物が乾かないという問題がなければ、外出先で足元が濡れて嫌だというのがなければ、雨の日もいいものです。見慣れた風景が、雨に打たれると違って見えます。増水は怖いけど、濁って渦巻く川の水には惹かれるものがあります。違って見えるいつもの場所って、別世界への入口かも・・・

 

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ぽつ ぽつ ぽつ

松田純子 文.絵
福音館
本体 \390.
初版 2013.6(こどものとも0.1.2)
横19.5cm×縦18.5cm
対象:0歳から

 

 

 

 真っ白な画面に、雨粒の印象的な青が、ぽつ・・・。ぽつ ぽつ ぽつ。雨粒は、赤い傘やみどりの葉っぱに降り注ぎます。図案化された雨とリズミカルな言葉の繰り返しにに、赤ちゃんたちが身を乗り出して見入ってくれますよ。雨の動きを活かす縦開きの構成。月刊誌〈こどものとも0.1.2〉、昨年6月の刊行ですが、今も店頭に常備しています。 

 


 

 

あめのひに

 

チェ・ソンオク 
キム・ヒョウン 
キム・ヨンジュン/星あキラ 
ブロンズ新社
本体 ¥1,300.
初版 2014.5.25
横24.5cm×縦21.5
cm
対象:4歳から

 

 

 

 どしゃぶりです。女の子は大急ぎで家に駆け込みました。外は川にようになり、雷も鳴って、ちょっと心細いお留守番です。そこへ、「みずが ひくまで おいて くれませんか?」と子連れのアリさん。雨はますます激しくなり、次にドアを叩いたのはハリネズミさん。水かさが増すにつれ、女の子のところには、猫やクマや家族からはぐれたネズミも避難してきました。女の子の家もとうとう水に浸かってしまい、みんなで二階へ避難しますが・・・。文章は淡々と状況だけを述べ、絵の中にエピソードがいっぱい詰まった、静かだけどドラマチックなお話です。ドキドキ感の後には「ああ、よかった!」がきちんと用意された、冒険初心者のための一冊です。

 


 

 

ゆうだち

 

あきびんご 作・絵
偕成社
本体 \1,000.
初版 2012.6
横19cm×縦27cm
対象:5歳から

 

 

    

 南の国のにわか雨は、雷と激しい雨音で何も聞こえなくなるほどです。ヤギがずぶ濡れになったのはちょうどオオカミの家の前。、オオカミの優しい言葉に招き入れられてタオルを使っていると、オオカミが下手な三味線でひそひそ歌い始めました。耳のいいヤギには、なんと、「おいしいおきゃくが・・・。」と歌っているのが聞こえます。そこで、ヤギはなんとか平気な顔をして三味線を借りて、こう歌いました。「このまえ たべた オオカミ 3びき〜」 歌っているうちにおかしな気持ちになってきたヤギは、ますます声を張り上げ、一方のオオカミは、そんなヤギの様子にすっかり怯えてしまいます。お話会での読み聞かせに特におすすめする、迫力満点のお話です。


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