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“雨が降ると・・・”の号 2014.7
雨の日を「お天気がわるい」なんて表現しますけど、わたしたちの暮らしは雨なしには立ち行きません。洗濯物が乾かないという問題がなければ、外出先で足元が濡れて嫌だというのがなければ、雨の日もいいものです。見慣れた風景が、雨に打たれると違って見えます。増水は怖いけど、濁って渦巻く川の水には惹かれるものがあります。違って見えるいつもの場所って、別世界への入口かも・・・。 |
ぽつ ぽつ ぽつ |
松田純子 文.絵 福音館 本体 \390. 初版 2013.6(こどものとも0.1.2) 横19.5cm×縦18.5cm 対象:0歳から |
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真っ白な画面に、雨粒の印象的な青が、ぽつ・・・。ぽつ ぽつ ぽつ。雨粒は、赤い傘やみどりの葉っぱに降り注ぎます。図案化された雨とリズミカルな言葉の繰り返しにに、赤ちゃんたちが身を乗り出して見入ってくれますよ。雨の動きを活かす縦開きの構成。月刊誌〈こどものとも0.1.2〉、昨年6月の刊行ですが、今も店頭に常備しています。 |
あめのひに |
チェ・ソンオク 文 |
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どしゃぶりです。女の子は大急ぎで家に駆け込みました。外は川にようになり、雷も鳴って、ちょっと心細いお留守番です。そこへ、「みずが ひくまで おいて くれませんか?」と子連れのアリさん。雨はますます激しくなり、次にドアを叩いたのはハリネズミさん。水かさが増すにつれ、女の子のところには、猫やクマや家族からはぐれたネズミも避難してきました。女の子の家もとうとう水に浸かってしまい、みんなで二階へ避難しますが・・・。文章は淡々と状況だけを述べ、絵の中にエピソードがいっぱい詰まった、静かだけどドラマチックなお話です。ドキドキ感の後には「ああ、よかった!」がきちんと用意された、冒険初心者のための一冊です。 |
ゆうだち |
あきびんご 作・絵 |
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南の国のにわか雨は、雷と激しい雨音で何も聞こえなくなるほどです。ヤギがずぶ濡れになったのはちょうどオオカミの家の前。、オオカミの優しい言葉に招き入れられてタオルを使っていると、オオカミが下手な三味線でひそひそ歌い始めました。耳のいいヤギには、なんと、「おいしいおきゃくが・・・。」と歌っているのが聞こえます。そこで、ヤギはなんとか平気な顔をして三味線を借りて、こう歌いました。「このまえ たべた オオカミ 3びき〜」 歌っているうちにおかしな気持ちになってきたヤギは、ますます声を張り上げ、一方のオオカミは、そんなヤギの様子にすっかり怯えてしまいます。お話会での読み聞かせに特におすすめする、迫力満点のお話です。 |