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“本を読もうよ!”の号 2015.10
読書の秋。秋の夜長は読書にぴったりということで、この季節は「読書週間」の取り組みがされます。でも、当ホームページに来てくださるような本好きさんたちには、一年中が“読書の季節”でしょうね。わたしも、公私ともに本の無い生活は考えられません。今回の特集では、読書との幸せな出会いが描かれた作品を選んでみました。 |
としょかんのよる
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ロ−レンツ・パウリ 文 |
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のんびりうたた寝をしていたネズミは、キツネに食べられそうになって図書館に逃げ込み、追いかけてきたキツネに「図書館は特別なところだよ」と教えます。そして、1冊の絵本を出してきてキツネに見せるのです。それはニワトリを狙うキツネのお話でした。キツネは実は字が読めません。それでも絵本は十分に楽しめたらしく、彼はまた次の夜も図書館にやってきました。こうして、キツネが字を覚え、読んだり調べたりできるようになるにつれ、ネズミとキツネの関係も変わっていきます。動物たちのゆかいなやり取りの中に、本と出会う喜びが伝わってきます。 |
じつは よるの ほんだなは |
澤野秋文 文.絵 |
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古めかしい部屋の、サイズも雰囲気も様々な本が並んだ本棚。お土産の飾り物やおもちゃやお人形も飾られていて、そうそう、ちょうどあなたのおばあちゃんの家にあるような・・・。実はこの本棚、夜になると本の中から挿絵の人や動物やオバケたちが出てきて、一緒に楽しく過ごすという、秘密の本棚なんです。ところが夜明けが近づいてみんなが本のなかに戻る時間になってみると、今夜もまた行方不明者が続出。桃太郎が金太郎のお話の中に、幽霊が忍者の巻物の中に、そしてシンデレラは市場の絵の中へ別の履物を買いに言っていました。といった内容のこの絵本は、絵探しの場面たっぷり・ユーモアもたっぷり。内外の童話をたくさん読んだ人ほど楽しめる、本好きさんのための絵本です。 |
ジェーンと キツネと わたし |
イザベル・アルスノ− 絵 |
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思春期の入口で、友だち関係や自分の容姿に悩むエレーヌ。彼女の心の支えは「ジェーン・エア」を読むことです。孤児として育ち、目立たない容姿に地味なドレスのジェーンが、家庭教師として独り立ちし愛する人を得るまでの物語と並行して、エレーヌ自身の学校生活での息苦しい場面の数々が、古典は美しいカラーで、エレーヌの現実はモノクロで交互に描かれています。そして、エレーヌが展望を見出したところでようやく、彼女のページにも美しい色彩が・・・。陰鬱なテーマを扱っていながら、とても美しく仕上げられ難しい時期の女の子に手にして欲しい「読書に支えられる」物語です。 |