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“空気無しには・・・”の号 2016.11
地球という星は空気(と私たちが呼ぶ気体)に取り巻かれています。空気があるのが当たり前で暮らしていますが、わたしたちが呼吸することのできる星は、全宇宙のなかで、今のところ地球以外には発見されていないのです。息ができるだけでなく、声が聞こえるのも風を感じられるのも、空気のおかげですね。そうそう、匂いも空気が運んできます。小さい人たちと楽しめる空気の絵本をご紹介します。 |
くうきは どこに? |
フランクリン・M.ブランリ 作 |
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空気はわたしたちの周りのどこにもあるけれど、見ることも触ることもできない。ただ、ぐるぐる回るときに体に感じるだけ。そこで、空気があることを確かめる実験をしてみましょう・・・と提案しているのがこの絵本。ボール1杯のお水と、ティッシュ。それに、あれば着色料。それだけで確かめることができます。そして後半では、空気には重さがあること、水に溶けること、空気がないところでは人は生きられないことなどが、分かりやすく説明されています。親子でどうぞ! |
地球はえらい |
城雄二 原案 |
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この絵本が語っているのは、宇宙に太陽系が誕生し地球が出来てから、わたしたちの生きる現代までの歴史です。その物語を丁寧に見ていると、隕石の衝突の際に出たガスや水蒸気が地球を取り巻き、次々に起こる気候の変動の中で、海で生まれた植物や動物が地上に進出、森が出来て空気中に酸素が増えていった様子が読み取れます。こうして見ると、光合成を行う植物が生まれるまでの地球の空気は、私たちが呼吸できるような気体ではなかったのですね。長い時間をかけて酸素でいっぱいのおいしい空気を作ってくれた地球を、人類の文明が汚してしまった環境汚染についても触れられ、子どもたちにぜひ読んでもらいたい科学絵本になっています。 |
バーバパパ かせいへいく |
アネット・チゾン/タラス・テイラ− 文.絵 |
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火星からの通信を受信した、おばけのバーバパパ一家は、なかよしのフランソワとクロディーヌと一緒に地球を飛び立ちました。もちろん空気の無い火星へ行くのですから、みんな宇宙服に酸素ボンベの用意をして。ところが、谷間には植物が茂っていて、空気も吸えるではありませんか。そして、バーバパパたちは思いがけない仲間に出会います。このお話、おばけたちにも酸素が必要という設定は愉快ですが、地球から持ち込んだ豆が異常繁殖して、バーバパパたちを襲ってきたのにはドッキリさせられます。環境保護に熱心な作家の二人が、子どもたちへのメッセージを潜ませたのでしょうね。 |