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“地獄のドラマ”の号 2017.9
死んだ後はできれば天国に行きたい。そりゃあそうでしょう、地獄は怖くて辛くて嫌なところ。でも地獄を管理する閻魔大王や鬼たちにとっても、心根の良くない亡者どもを相手にするような仕事は、そう楽しいものとは言えないに違いない。毎日が地獄の、閻魔大王とその手下どもが遭遇するドラマの数々ですよ! |
じごくにいった かんねどん |
常光徹 文 |
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かんねどんは、とんちき者だけれど、ほらふきでケチという困った人。そのかんねどんがフグの毒にあたって死んだ。エンマ様の前に引き出され、地獄行きを言い出されたかんねどん。目の前に広がる地獄の風景、亡者どもがうごめおどろおどろしい様子はさすがに怖い。本人は極楽に行くつもりでいたんだもの。そこで一計を案じたかんねどん、エンマ様を裸踊りに誘い、隙を狙ってエンマ様と入れ替わってしまった! |
じごくのラーメンや |
苅田澄子 文 |
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地獄にやって来る死者たちは、自分の生前の行いを棚に上げて不満タラタラ。針の山や血の池、釜茹ではあるが、美味しいものは何ひとつないと言う。それを聞いてエンマ様は悔しがった。天国なんかに負けるもんか!そこで、とんでもなく辛い地獄特性ラーメンを作った。その名も、地獄名物ちのいけラーメン。あまりの辛さに食べられるものは誰ひとりとしていない。ところが地獄のラーメンのいい匂いが天国に届いて・・・。 |
オニのサラリーマン |
富安陽子 文 |
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子どもたちに送られて、愛妻弁当を持ってオニガワラさんは出勤します。お勤め先は・・・地獄カンパニー。だってオニガワラさんは、鬼だから!そして人間のお父さん同様、鬼も働くのにはいろいろ苦労があるんです。今日の担当は血の池の見張り。まあまあ楽な方の受け持ちと気を抜いたのがいけなかったか、お弁当の後でうっかり居眠りしていたら、亡者の脱走騒ぎが起こってしまいました。閻魔大王にご注意を受けたオニガワラさんは落ち込んで、帰りに1杯引っ掛けて帰ることにしましたとさ。サラリーマン、大変だよね。まもなく続編が出ます。 |