“クリスマス@日本”の号 2017.12

 日本の子どもたちがクリスマスイヴにサンタさんを待つようになって、どのくらいになるのでしょう?宗教的な背景は無いご家庭でも、子どもたちに夢を持ってほしいと願う大人たちが、ある意味日本らしいクリスマス行事を作り上げてきたのだと思います。ザ・ニッポンなクリスマスのお話をどうぞ。

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  ぐりとぐらのおきゃくさま

 

 

中川李枝子 文 山脇百合子 
福音館書店
本体 ¥900.
初版 1967/6
こどものとも刊行1966/12
横19.5cm×縦26.5cm
対象:3歳から

 

 

 

 冬の森で遊んでいたぐりとぐらは、雪の上に大きな足跡を見つけました。その行く先をたどっていくと、「ここ ぼくたちの うちじゃないか」。 家の中には、大きなブーツと赤いコートが脱いであり、暖炉の前には濡れた手袋も干してありました。お客さまは、どこ?すると美味しそうな臭いが漂ってきたので、ぐりとぐらが台所に駆け込むと、白いおヒゲのおじいさんが大きなケーキを焼き上げたところでした。
 このお話の素敵なところは、この人がサンタさんですよとはどこにも書かれていなくて、更にこの優しそうなおじいさんが先を急ぐからと、ケーキを食べないで行ってしまうところだと思います。一度読んだだけでは、この人が誰だかわからない子もいるでしょう。繰り返し読んでもらって、小さな聞き手はある日そのことに気が付く・・・という、素敵なサンタ物語です。

 

 

ピヨピヨ メリークリスマス

 

工藤ノリコ ・絵
佼成出版社
本体 ¥1,300.
初版 2007/11

横21.5cm×縦21.5cm
対象:3歳から

 

 

 

 サンタさんが自分たちの家に来てくれるかどうか、心配で仕方ないピヨピヨ5兄弟。お母さんもお父さんも、“だいじょうぶ、よい子のところにはちゃんときてくれます!”と言いますが、だからこそ心配なんでしょうね。市場に出かけてクリスマスのお買い物をして、お母さんが作った特別なご馳走を食べてクリスマスを祝うと、子どもたちはもうおやすみ時間です。夜が更け・・・そしてあっという間に朝が来て・・・。兄弟が目を覚ますと、あ!ベッドのの足元に何かあるよ!包みを開けるこどもたちの、まあ何て嬉しそうなこと。これだからサンタさんはやめられない!のだろうと思います。。 

 

 

にんじゃサンタ

 

丸山誠司 文・絵
PHP出版
本体 ¥1,200.
初版 2010/11
横23cm×縦23cm
対象:4歳から

 

 

 

 赤い忍者装束のにんじゃサンタたちは、毎日修行に励みます。ひたすら走り、飛び、時に隠れ。それというのも、12月24日の夜のため。この日は、ハンドベルの演奏が聞こえてきたら、サンタ服に着替えて集合。世界地図の前でみんな揃って説明を受け、夜が更けるといよいよ出発です。世界中の子どもたちのところにプレゼントを届けるため、にんじゃサンタたちは、走り、飛びます。ひたひた、ひた・・・。子どもたちに見つからないように。


 

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