“巡る季節の絵本”の号 2018.4

子どもの頃は1日がすごく長かったという記憶があります。大人の今は、1日どころか1週間も1ヶ月もあっという間に流れすぎていってしまうのですが。

そう考えると、大人が言うところの「今度の誕生日」や「クリスマス」は、子どもたちには、果てしなく遠く、「今度の○○」なんて遥か彼方に霞んで見えるかもしれませんね。そんな子どもたちに、季節がぐるっとひとまわりしたら1年が過ぎたことになるんだよ!と、絵本で体験してもらったら、時間の流れを上手くつかめるようになるかも・・・と思い、四季を描いた絵本を探してみました。

こうして3冊の絵本を並べてみると、わたしももっと季節を楽しまなくては、と改めて思います。心さえ開けば、どこにも自然が溢れていますから。

 

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  ハーニャの庭で

 

 

どい かや 文・絵
偕成社
本体 ¥1,300.
初版 2007/04
横21.5cm×縦25.5cm
対象:幼児から大人まで

 

 

 

 猫のハ-ニャが住んでいる(人間と一緒にね。)ちいさな家には、ちいさいけどすてきな庭があります。その庭にはたくさんの小さな生き物が住んでいたり、訪れたりするのです。雪の降る寒い季節が終わるとやがて春。そのあとには雨の季節。太陽が輝く夏。嵐の季節からやがてちいさな庭にも実りの季節。そして冬。季節のめぐるこの庭で、虫や鳥をはじめさまざまな小動物たちが生きています。これというドラマは語られないこの絵本で、唯一のニュースと言えば、ハーニャが子猫を生むことでしょうか?小さな庭の豊かな自然を、ハーニャと一緒に楽しみませんか。

 

 

くるみのなかには

 

 
たかおゆうこ 
文・絵
講談社
本体 ¥1,400.
初版 2017/10
横26.5cm×縦25cm
対象:幼児から大人まで

 

 

 

 くるみ割り人形の強い歯でなくては開けられない、硬いくるみ。開けられないからこそ、そのの中に何があるのか想像を掻きたてられます。宝物が詰まっている?りすの裁縫箱?それとも小さなおじいさんとおばあさんが住んでいるの? その実が、ずっしり重くて振っても音のしないくるみなら、土に埋めてごらんなさい。水を吸って根を下ろし、芽を出したくるみの木は、何年も何年もかけて大きくなって、やがて春になると実を実らせます。枝からぽとんと落ちた種が開くと、ほら、中からは新しいくるみが!

 

 

 

庭をつくろう!


 

ゲルダ・ミュラ− 文・絵
ふしみ みさお

あすなろ書房
本体 ¥1,500.
初版 2015/03
横30.5cm×縦21.5cm
対象:幼児〜大人

 

 

 

  兄弟が引っ越してきた家には、広い庭がありました。荒れた庭を掘り起こし、花や野菜を植え、古いりんごの木を蘇らせる一家。それぞれ自分のスペースをもらった兄弟は、種屋さんや近所の子どもたちの助けも借りて、庭仕事に勤しみます。庭は緑でいっぱいになり、水遊びや草遊び、収穫祭、そして冬には雪遊びと、子どもたちは巡る季節をたっぷりと楽しむのでした。

 

 

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