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“クリスマスになると読みたい絵本”の号 2018.12
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ちいさなもののいのり |
エリナ−・ファ−ジョン 文 |
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自然の中に生きる、若い植物や幼い動物、そしてわたし。その存在の心許なさと守ってくださる大きなものの存在と、その両方を感じることができる短いお祈りの本です。美しい挿絵と訳にも助けられながら、小さな人たちが「祈り」を体験でき、大人も小さな私に立ち戻ることのできる作品です。祈りを捧げる大きな存在とは、自分の信じる神であっても、大自然であっても、わたしたちが住む地球であっても良いと思います。 |
みまわりこびと
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森の中の古い農場。人も家も動物たちも眠りに就いた真夜中に、この家に古くから住み着く小人は見回りに出かけます。動物たちの小屋へ牛や馬を訪ね、仲良しの犬と挨拶を交わし、深い眠りの中にいる住人たちの部屋もそっと覗いて。この農場に人の住む限り、小人はこうして農場の平安を願って見回り続けるのです。姿は見えないけれど冬には雪の上に足跡を残す小人。農場に住む家族も、その存在に気づいていることでしょう。 |
くるみわりにんぎょう |
加古里子文 鈴木まもる絵 |
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クララがクリスマスプレゼントにもらったのは、くるみ割り人形。凛々しい兵隊の姿をしていて、硬い胡桃を割ることができるのです。でも男の子たちが乱暴に扱ったので、お人形の顎が壊れてしまいました。優しいクララは自分で出来る精一杯の手当をして、夜も一緒に眠ります。ところが夜中にくるみ割り人形がねずみたちに襲われ、クララは夢中で助けます。すると、くるみ割り人形の魔法が解け、彼は実はお菓子の国の王様だったと語ります。そしてクララはお菓子の国に招かれて、夢のような時間を過ごすのです。クリスマスシーズンにはバレエの舞台としても繰り返し上演されるあのクリスマスの夜の物語です。絵本にもたくさん描かれていますが、アリソンj・ジェイのこの絵本は、バレエ劇を思い起こさせてくれるきらびやかな幻想に満ちています。 |