“イヤとか、バカとか、”の号 2019.3.

 

 使ってはいけないと言われている言葉ほど使ってみたい。、それが子どもってものですよね。いかにも相応しくないタイミングで、相応しくない相手にそれを言って周りの反応を愉しむ子もいますが、皆が皆そういう勇気を持ち合わせてはいません。そこで今回は、お話の中でその禁断の言葉を思いっきり使ってもらおうと思います。 ただ、お話の中とはいえ言って後悔することもあります。それも合わせてご経験頂きましょうか・・・。

 

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ぼうしをとってちょうだいな

 

 

松谷みよ子 文 上野紀子 絵
偕成社
本体 ¥800.
初版1978/04
横19cm×縦21.cm
対象:1歳〜

 

 

 

  “ぼうしをとってちょうだいな!”と、何度呼び掛けられても、“いやー”と答える、青い帽子の子。繰り返されるいやーを、聞き手のお子さんも一緒に言いいますよ。否定の言葉を大威張りで言える機会なんて、そうあるものじゃ無いですからね。ところで、この子の帽子なんですが、最後には脱ぎます・・・というか、脱げます。けど、どうやって脱げるかは読んでのお楽しみ!

 

 

ありこのおつかい

 

石井桃子  中川宗弥 
福音館
本体 ¥1,300.
初版2003.3
横12.7cm×縦28cm
対象:4歳〜

 

 

 

 アリのありこは、おばあさんのところへお使いに行く途中で道草を食って、そのせいでカマキリのきりおに飲み込まれてしまいます。怒ったありこがおなかの中で、“ばかあ”と叫んだのがいけません。そのせいでカマキリはムクドリに飲まれ、ムクドリはヤマネコに飲まれ、ヤマネコはクマの坊やに飲み込まれてしまうのです。出だしが赤ずきんで、途中から鳥呑みじさみたいな展開ですが、最後にはみんなでクマのくまきちのお誕生日を祝うという楽しいお話になっています。そして、各ページで “ばかあ”と “とんちきめ”と“わるものお” が、たっぷりと繰り返されます。聞き手の皆さんもご一緒に!と言わなくても、子どもたちは進んで言ってくれるでしょうね。

 

 

ともだちになろうよ

 

中川ひろたか 文  ひろかわさえこ 絵
アリス館
本体 ¥1,300.
初版 2004/06
横19c」m×縦26.4cm
対象:4歳から

 

 

 

 友だちなんていらない、一人で遊ぶほうが楽しいと思っているワニくん。だって、ほら、誰かと一緒に遊ぶとややこしいことになる。めんどくさい。そんなワニくんのところに、うさぎの女の子がやって来た。「ともだちに なろうよ」と。気の進まないワニくんは、うさぎの女の子が楽しげに話し掛けて来ても嬉しくありません。気の無い態度のワニくんに、うさぎは「しりとりしようよ」と誘いました。そこで「「すき」といううさぎの言葉に、「きらい」と続けてしまったワニくん。すると、楽しげだったうさぎの表情が曇って、ワニくんは・・・ほら、これだから友だちなんて嫌なんだと思ってしまいます。聞き手の子どもたちも、この言葉にはドッキリするはずです。さて、うさぎの女の子はこの後どうしたのでしょうか?ややこしくても、めんどくさくても、友だちと一緒がいいと思ってもらえるといいのですが。

 

 

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