“おとうさん!おとうさん!”の号 2020.6
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おとうさん!おとうさん! |
中川ひろたか 文 |
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娘の望むものだったら、何にでも変身して一緒に遊ぼうとするお父さん。ワニにでもキリンにでも、滑り台にでも飛行機にでも。おとうさん!おとうさん!とまとわりついてくる小さい娘と一緒にごっこ遊びをした後は、大小並んでおんなじポーズでお昼寝です。失礼ながらキリンというよりはカバの雰囲気のお父さんですが、こんな幸せな時間は人生の中でもそうはあるまい!というのが表情に出ています。ずっとずっと仲良しのふたりでいてね。 |
とうちゃんは むしゃんよか |
内田麟太郎 文 |
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かあちゃんが死んで、すっかり気力を無くしてしまったとうちゃん。どうしようもなく、ただ黙って見守るばかりのばあちゃんとぼく。その父ちゃんを幼馴染のフジキさんが、夏祭りのだいじゃやま作りに誘いに来た。とうちゃんは、だいじゃやま作りの名人なんだ。何度誘っても返事をしないとうちゃんに、フジキさんは叫んだ。「あんたは おおむたの おとこじゃろが!」 夏祭りの取り組みを通して立ち直っていく父ちゃんの姿が、息子の目を通して描かれています。「むしゃんよか」はかっこいい!という意味です。 |
ほんのにわ |
みやざきひろかず 文・絵 |
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その庭師は、亡くなった父さんの跡を継いで庭づくりの仕事に精を出していた。庭師の仕事とは、時にこの何年か先までを見越して庭を作ることであり、また、ずっと続いてきた庭がこの先も続くよう手入れすることでもある。古い庭に父さんの仕事の痕跡を見つけるたび、まだまだ自分は父親のような仕事ができていないと感じていた庭師は、ある日父さんの本の間から「ほんのにわ」とメモのある古い写真を見付ける。ほんのにわ。一体どこにあるのだろう。写真の庭が心から離れない庭師だったが・・・。 |