“かっぱと人間はともだちか?”の号 2020.7
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まゆとかっぱ やまんばのむすめまゆのおはなし |
富安陽子 文 |
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まゆはまだ幼い女の子だけれど、心優しく力は強い。だって、山姥の娘だから。お母さんにはまだまだ甘えん坊なまゆですが、迷子のウリンボの面倒を見たり、まゆを食べようとした鬼と仲良くなったり、これまでもこのシリーズの中で大活躍してきました。そのまゆが今回出会ったのは、かっぱのミドリマルです。成り行きでかっぱの相撲チャンピオンと勝負をすることになったまゆですが、相手のそのかっぱの大きいことと言ったら!今回は怪力少女まゆが、かっぱのミドリマルと友情を結ぶお話です。 |
おっきょちゃんとかっぱ |
長谷川摂子 文 |
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川べりで遊んでいた女の子、おっきょちゃんは、川の中から出てきた奇妙な子どもにお祭りに誘われます。よそ行き浴衣に着替え、きゅうりのおみやげを持って、おっきょちゃんは、川底のかっぱの国に遊びに行きました。めずらしいものでいっぱいのかっぱの世界で楽しく過ごしてていたおっきょちゃんでしたが、流れてきた「かあさんがつくってくれた、わたしのお人形」を目にして、家に帰りたくなってしまいます。一度かっぱの暮らしをした者を、どうやって人間の世界に戻したらいいのでしょう?おっきょちゃんを元の世界に戻すために奮闘するかっぱたちのやり方が、すごい。そのあたりの長谷川さんの文章は本当に魅力的です。絵は「まゆ」とおなじ画家ですが、かっぱの雰囲気が全く違っているので、ぜひ比べてみてください。 |
かっぱのすりばち 菊池トヨばあちゃんの語りから |
佐藤修 原作 |
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かっぱの息子のかんきちは、村の子ども達と一緒に川遊びする仲だった。しかし庄屋の息子が水死すると、村の大人たちはかんきちの仕業と疑って引っ張り出し、言い訳も聞かず、みんなで叩いで殺してしまった。かっぱのかあちゃんの嘆きの深かったこと。その後、村の子どもに疫病が流行り、観音様のお告げは、かっぱの母ちゃんに許しを乞うて、妙薬を作ってもらうようにというものだった。子どもたちのために頭を下げる村人を見て、村の子どもたちが息子の友だちだったことを思う、かんきちの母ちゃん。意を決して、かっぱの母ちゃんは妙薬作りに命を掛けたのでした。 |