|
“世の中のしくみ”の号 2020.9
|
ちいさなしまの だいもんだい |
スムリティホールロバート文 スターリング絵 |
|
|
|
|
どうぶつ村では、少々の揉め事はあるものの、みんな<おおむね>満足して暮らしていました。ガチョウとアヒルたちは、村のはずれにある島が住まいでした。ある時ガチョウたちが文句を言い始めました。ほかの動物たちがやってきて、島の干し草や果物を取っていく。態度がでかすぎる。あいつらとは縁を切ろう!と。一緒に住んでいるアヒルたちは、数が少ないので反対できません。島と向こう岸を渡す橋は取り壊されて、とうとう行き来はできなくなりました。ガチョウたちはそれで満足でしたが、しばらくすると問題が起こり始めました。伸びた草を刈取ってくれる仲間がいません。高い木の果物を取ってくれる仲間もいません。それでも意地を張って暮らしていたガチョウたちでしたが、ある年、島がキツネたちに狙われたのです。鳥しかいない島は、キツネたちにとっては願ってもないご馳走の島でした。 |
もりにいちばができる |
五味太郎 文・絵 |
|
|
|
|
きつねのぶどうの木には、素晴らしく美味しい実が生った。通りがかったタヌキが羨ましがったので、ひと房あげた(もったいなかったけれど)。すると次の日、たぬきがお礼にりんごを持ってきた。きつねは考えた。ほかの動物たちも美味しいぶどうを食べたがるに違いない。そこできつねは、森のみんなにぶどうを分けてあげた。するとみんなもそれぞれに、美味しいお返しを持ってきてくれた。ぶどうを上げてすてきなものをもらうのはいい考えだ!と気がついたきつねは、森でぶどう屋を始めた。それを見てほかの動物もそれぞれ自分の持っている美味しいものを売り始めたよ。これが市場の始まり。物々交換して、みんな幸せだったんだ。 |
おんぶはこりごり |
|
|
|
|
|
ピゴットさん一家は、(ピコットさんじゃないよ) 素敵なお家で快適に暮らしていた。パパも息子たちも、ママに美味しいご飯を作ってもらって、散らかった部屋は綺麗にしてもらって。でも、ご飯はまだ?と急かされ、洗濯や部屋の掃除に明け暮れるママのほうは幸せだったでしょうか? ある日、みんなが帰ってくるとママの姿は無く、「ぶたさんたちの おせわは もう こりごり」 という手紙が残されていました。パパと子どもたちはママ無しで何とか家事を回そうとしましたが、どんなに頑張っても、素敵だった家は荒れてゆくばかりです。ママは帰って来てくれるでしょうか?やってもらうのが当たり前じゃないよと、ユーモアたっぷりに伝えてくるアンソニー独特の表現をお楽しみください。 |