“キリスト降誕のおはなし その2”の号 2020.12

 

 

 降誕のお話は信仰する方々にとって神聖なお話ですが、宗教的にとらえなかったとしても、長く伝わった物語として、子どもたちに語ってあげたいテーマを含んでいると思います。降誕にまつわるお話は毎年のように出版されますが、ぜひ手にしていただきたい素晴らしい作品が多くあります。ご家庭でのクリスマス会もプレゼント交換とケーキで終わらず、こんな絵本を一緒に読んでいただけたらと思います。 < その1 http://www.pikot.com/ehon/2012/12.html >

 

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クリスマスおめでとう



樋口通子 文・絵
こぐま社
本体 ¥1,200.
初版 1997.11
横24cm×縦19.4cm

対象:2歳〜

 

 

 

 遠い昔のある晩のこと、嬉しいことが起こり、星が光ってみんなにお知らせしました。イエス様の誕生を、天使や子どもや動物たちみんなが喜んでいる、そのことだけにテーマを絞って描いた、日本の作家による切り絵の作品です。明るくて喜びにあふれ、小さい人たちにその夜に起こったことが真っ直ぐに伝わるお話になっています。

 

 

クリスマスの夜



ロイス・ロック アリソン・ジェイ絵 
関谷義樹

ドン・ボスコ社
本体 ¥1,000
初版 2015/10
横21.6cm×縦30.2cm

対象:4歳〜

 

 

 

  受胎告知、ベツレヘムへの旅、馬小屋でのイエスの誕生とお祝いに訪れる人々のこと、そして、ヘロデ王の迫害までもが、簡潔な文章で聖書に沿って描かれています。現代的なフォルムのなかに宗教画のような厳かさのある絵も大変魅力的です。

 

 

クリスマス

− よろこばしい しらせ −



原田陽子 文・絵
至光社 所
本体 ¥1,000
初版 2020
横25cm×縦25cm

対象:4歳〜

 

 

 

 この絵本でも受胎告知からベツレヘムへの旅、イエスの誕生とお話しは進みますが、もうひとりの中心人物が羊飼いたちであるように、彼らの行動と喜びが描かれています。当時、羊飼いは底辺の人々であったのでしょう。その羊飼いも、街の人たちも、マリアとヨセフさえも、飾らない庶民的な姿に描かれていますが、それにも拘らずその姿は清らかです。この絵本を作った原田さんは、受洗し聖書を学んだという方。ちなみに前にご紹介した<クリスマスの夜>でもこの作品でも、羊飼いと羊たちは緑の野原で眠っています。ホワイトクリスマスのイメージは後になって作られたもののようですね。

 

 

 

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