“おもしろ読物大特集” 2001.7

 『ハリー・ポッター シリーズ』の大ブレイクで、この所ファンタジー系が注目されています。児童書に詳しい方は、“『ハリー・ポッター シリーズ』も面白いけど、他にもわくわくする読物はいっぱいあるよ!”と思っていらっしゃるのではないでしょうか…。実際、ファンタジー系からノンフィクションまで、ハリーに負けない面白さの作品は、お奨めしきれない位あると、専門店の私たちも思っています。児童書ジャンルは宝の山!お子様へ推薦の本を捜し方がた、大人のあなたも読み応えのある児童書を開いてみませんか?
 
…感想文を書く方は、‘98年の“感想文”お助け特集 も ご参考に…。

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のらねこソクラテス

山口 タオ作 田丸芳枝絵
岩崎¥951.
横15.5×縦21.5

 

 

宿題出すのが好きな新しい担任カバしまの先生のことで、憂鬱な気分のぼく。そんな時公園を通りかかったぼくは、のらねこに声をかけられた。ソクラテスと名乗るあいつは、傷跡だらけの強面、このあたりの親分だ。ソクラテスはぼくに読んで欲しいと、ぼろぼろの絵本を出してきた。最初はこわかったけど、そんなことからソクラテスと僕は仲良くなった。やがてとうとうぼくは、カバしま先生と対決することになってしまうが…。(シリーズです。)




チムとゆうかんな
せんちょうさん

アーディゾーニ作・絵
/せた ていじ訳
福音館¥1,300.
横20×縦27

 

 

 

チムは海辺に住む小さな男の子。船乗りに憧れて、出航する船にこっそり潜り込んでしまいます。船の暮らしは厳しいけれど、チムはみんなのために良く働いて、船員たちに受け入れられました。所が、航海の途中船が嵐に会って…。人生の冒険を始める前に是非チムのシリースを!船長の「やあぼうず、こっちへこい。(略)なみだなんかは やくにたたんぞ。」は、こどもたちみんなに出会って欲しい言葉です。(版があたらしくなりました。全11巻)






てんぐの酒もり

桂 文我作 東 菜奈絵
岩崎¥1,300.
横15.5×縦21.5

 

 

笑いは人間だけが持つ楽しみだとか。小学生のあいだでも、言葉あそびを “ダジャレ”と呼んで大人気ですし、落語をテーマにした絵本や読物もたくさん出ています。この本は落語家の文我さんが書いた、表題の落語と小話と、落語に関するQ&Aの本です。「おやこ寄席ライブ版 CD」で、語りを実際に聞くことも出来ますので、いくつか読んだら、気に入った作品をひとつ選んで実際に演じて見ませんか?!(全5巻)






子ぎつねヘレンが
のこしたもの

竹田津 実作 写真
偕成社¥1,200.
横15.5×縦21

 

 

著者は獣医さんで、森の動物たちの治療も引き受けています。苦労して病気や怪我を治しても、野生動物たちは、治療費を払わないどころかありがとうの一言さえ言わず「退院」していくので、武田津さんは、新しい患者が現れると逃げ出してしまいたくなる時もあるそうです。そんな森の病院へ、ある日新しい入院患者が連れてこられました。目も見えず耳も聞こえず、匂いさえ嗅ぐことの出来ない赤ちゃんぎつねでした。子ぎつねへレンと武田津さん夫妻の、厳しくも幸せな1ヵ月の記録です。






ボーソーとんがりネズミ

渡辺らわん作 廣川冴映子絵
講談社¥1,400.
横16×縦21.5

 

嫌々引っ越してきた田舎の家で、ぼくは思いがけない生き物と出会う。絶滅したと言 われる「ボーソーとんがりねずみ」。彼は人の言葉を理解し、大の音楽好きだった。 ぼくなりに彼の一族について調べ、昔とんがりねずみを飼っていたという人物とも知 りあう。しかし父親が撮った1枚の写真からねずみの存在が知れ、大人社会は騒然と なった。子どものぼく1人で、とんがりネズミたちを守り切れるだろうか?






アリスの見習い物語

クシュマン作 柳井 薫訳
あすなろ¥1,300.
横15.5×縦20

 

アリスは孤児です。どこで生まれて育ったのかの記憶もなく、畑の堆肥の中や納屋で眠る暮らしでした。そのアリスが産婆のジェーンの見習いとなって、自立へと歩み始めます。後ろ盾無しに女性が生きていくことは難しかった、14世紀イギリスが舞台ですが、悩んだり自分を見失ったりしながら、懸命に生きようとする姿は、現代の少女たちの姿と少しも変わらない様に思えます。