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“学校、たのしい?”の号 2002.4
「もう一年生なの?」「いいね、がんばってね!」と、会う人ごとに言われて、新一年生は胸をはずませているでしょう。でも、中には、新しい環境をちょっとだけ不安に思っている子もいるかもしれませんね・・・。"あたらしい"という文字の中にはいろんな"ワクワク"と"ドキドキ"が詰まっているんですもの、無理もありません。学校でなにか困ったことがあっても、きっとだれかあなたを助けてくれる人がいますよ・・・という言葉で、まわりにいる新一年生の背中をそっと押してあげてください。 |
となりのせきの ますだくん |
2000.4月号でご紹介しています。 こちらをどうぞ!
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やまんばやかた たんけんします |
ごとう りゅうじ作 さとう まきこ絵 ポプラ社 \800.(本体) 横12.5×縦19.5cm 童話 対象:小学生初級 |
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1年2組のまつうらせんせいは、良いお天気になると遊びたがります。きょうも、「てんき いいねえ。やまんばやかた、たんけん しようか!」探検は"生活科"の勉強なんですって。やまんばやかたにはこわーいウワサがあるので、子どもたちはドキドキ・・・。おっかなびっくりで出掛けてみると、白髪のおばあさんがすうーっと音もなく出てくるし、沢山の犬が檻に入れられて騒いでいるし。怖がっていた子どもたちが、元気印のごんちゃんの魔法のおまじないで、やっと勇気をふりしぼって探検に加わった頃、今度はまつうら先生が大変な目に会う事になりました。高い所が大の苦手なのに、大きな木のてっぺんに登ってしまったごんちゃんを助けにいくはめにー。いやはや、いろんな事が起こった"生活科"でした。でもね、やまんばやしきのおばあさんは、やまんばなんかじゃあなかったんだよ。あ、それから、松浦先生は若い女の先生です。念のため。 |
がんばれ!デメキン |
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岸 武雄作 福田岩緒絵 教育画劇 \1,300.(本体) 横15.5×縦21cm 対象:小学生初級 |
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噴水のある池の管理が一年生の受け持ちになり、子どもたちは大張り切りです。まず汚れていた池を掃除し、次の日、みんなでフナやキンギョを持ち寄りました。中でも7年も生きているという、テツヤくんの大きな黒いデメキンは、みんなに王さまと呼ばれ、すいれんも入って美しくなった池を、一年生たちは大切に面倒見ていました。ところがある日、デメキンが怪我をしているのを見つけて、一年生は大騒ぎになりました。昨日上級生が池に石を投げているのを、見た子がいます。その日の朝の会で、テツヤくんは朝礼台に上がり、「デメキンに いしを ぶったのは だれや!」と叫びました。小さなテツヤくんが朝礼台に上がった可愛さとおかしさに、みんなは笑っています。すると校長先生がテツヤくんの頭に手を置いて言いました。「この子はおこったね。そして ないたね。デメキンを おとうとのように かわいがっていたからです。みなさんは わらったね。デメキンに いしを ぶった子と おなじように デメキンなんか しんでもへいきだったのでしょう」校長先生のことばに、生徒たちはしんとなりました。テツヤくんの気持ちと校長先生のことばは、きっとみんなに届いたことでしょう。 |
ヨリちゃんのむずかしい しつもん |
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井沢由美子作 西川おさむ絵 教育画劇 \1,200.(本体) 横18.5×縦23cm 童話 対象:小学生初級 |
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ヨリちゃんは、ナンちゃんとずーっと仲良しです。幼稚園の時から一緒で、2年生になった今もクラスが同じ。そのうえ、ピアノもお絵かきも同じ先生に教わっているし、プールも英語もコックさんクラブも一緒です。このごろ、学校の勉強が少しずつ難しくなってきました。担任の林先生が「ぼくのはなしを ちゃんときいていれば わかるからね」と言うので、ヨリちゃんはいつもしっかり聞くようにしています。それなのに・・・、ある時ヨリちゃんは気付きました。同じようにやっているつもりなのに、ヨリちゃんよりナンちゃんのほうが、ちょっとだけ早くわかったり出来たりするのです。ある日、算数のテストが返され、ヨリちゃんは50点しか取れなかったのに、ナンちゃんは90点でした。家族のみんなは、「へえ、じゃあナンちゃんのほうが あたまが いいんだ。」とか「みんな1人ずつちがうのよ」と言うのですが、ヨリちゃんには納得がいきません。次の日ヨリちゃんは、林先生に聞きました。「あのね、ナンちゃんは 90点だったのに、わたしは 50点だったの。ふしぎでしょう」すると林先生はウーンと腕組をした後で言いました。「ごめん。むずかしくって、先生にも よく わからない。ちゃんと かんがえるから、すこし じかんを くれるかな?」さて先生の答えはどんなだったでしょう?そして、ヨリちゃんとナンちゃんの関係はどうなって行くのでしょう? |