2003.5

"く・くやしい!"ともだちって・・・?その2

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 幼なじみといえば、甘酸っぱい思い出が浮かぶ方も多いでしょう。でもそれは、過ぎてしまったからこそ懐かしむ時間。幼い付き合いの真っ只中、幼なじみ現役の子どもたちは、楽しさ・優しさの他、「悔しさ」や「後悔」という苦い感情も合わせて経験中です。自分でも押さえられない感情。わかってほしいのにという気持ち。何の打算もなく、ただぶつかりあう子ども同士は時にけんかになります。
 悔しい気持ちの絵本三冊。大人の方はどうか、「仲良しになることを学ぶ・・・」などと思わず、ぶつかりあう気持ちを、子どもたちと一緒に味わってください。



 

ごめんね ともだち

内田麟太郎作 
降矢なな絵
偕成社 ¥1,000.(本体)
横20.5cm ×縦25cm

対象:幼児から

 「ともだちや」で仲良くなったキツネとオオカミは、雨の一日を一緒に過ごしていました。所が、きょうは何をやってもオオカミが負けてばかり。ダーツをやれば的をはずし、けん玉も落としてばかり。得意のトランプで負けた時とうとうオオカミはキレてしまいました。キツネがいんちきしたからだと。「いんちきは でていけ!」キツネを雨の中へ追い出してすぐに、オオカミは後悔しましたが後の祭りです。
翌日いつもの散歩道で出会ったふたりは、仲直りしたいと思いながら、掛ける言葉が見つかりません。「ごめんね」という言葉の、何て難しいこと・・・。





けんかのきもち

柴田愛子作 伊藤秀男絵
ポプラ¥1,200.(本体)
横25cm ×25縦cm 
対象:5歳から

 家の隣の「あそび島」で、ぼくは毎日遊んでいる。一番の仲良しはこうた。なのにそのこうたと、すっごいけんかした。けり いれた。パンチ した。つかんだ。とびかかった。こうたは強い。悔しくって泣きながら家に走って帰って、お母さんにくっついてもっと泣いた。「あそび島」の愛子先生がおやつだよ!と呼びに来たけど行くもんか。なのに、お母さんだけおやつを食べに行っちゃった。なんでなんだよ!なんでなんだよ!玄関を開けて、「おかあさん かえってきて!」と叫んだら、「あそび島」のみんなが見えた。「ごめんな」とこうたの声。なんでだよ!なんでだよ!なんであやまるんだよ!そんなこというな。けんかのきもちは 終わっていない!・・・こんなに悔しいけんかの気持ちも、おやつを食べたころには納まって、こうたの姿にどきどきしながら、おやつのお皿を返しに「遊び島」へいくぼくでした。

 



まつげのうみのひこうせん

山下明生 作 杉浦繁茂 絵 
偕成社 ¥1,000.(本体)
横21cm×縦25.5cm
対象:小学生から

 けんかに負けて悔しい。あいつが砂をぶっつけたから、砂が目に入って、涙が出たんだ。あいつなんか世界一の卑怯者だ。だれもいなくなった運動場で寝転がっていたら、悔し涙で空が海のように見える。その海の中からおかしな魚が出てきて見る見るおおきくなり、クジラくらいになったそいつは言った。「さあ、のるのか、のらないのか。」
魚に乗って、空から学校を見下ろす。さかなが言う。「ちょっと重いなあ。心のにもつをおろしてくれよ。」そこでぼくは、思いつく限りの仕返しの方法をしゃべり始めた。そしてそのうち、つまらなくなた。やっぱり、けんかでやりかえしてやらなくちゃ。このままじゃ、あいつ・ノブコに、ばかにされるばっかりだ!





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