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“おもしろ読物大特集 ”07 2007.7
ドキドキワクワクする作品に出会ったら、「ねえねえ、すごく面白かったよ!」「こんなところに感動したんだ・・・」
と誰かに話したくなります。それを文書にしたのが、読書感想文。だから、感想文を書くなら、まず素敵な作品に出会うこと。文章にまとめるのには、はっきりとしたテーマがあるものを選ぶのも、コツかもしれません。今年はこれというものに
出会えなかったというあなた、ピコットのおすすめするこの本も手にしてみませんか?
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だから きみがいる−11のポップアップでたのしめる
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レイトン作・絵 からさわ のりゆき訳 フレーベル ¥1,890. (税込) 横18cm×縦25.5cm 対象:小学校低学年
うんと大むかしは、ほんとうに何もなかった。宇宙も時間も星も地球も。ドカン!大爆発で宇宙が生まれ、やがて太陽や地球ができると、地球上では生き物の進化が始まった。ビッグバンから現在までを、わかり易い仕掛けを使って見せています。特別に変わった仕掛けが使われている訳ではありませんが、仕掛けが読み手の理解を助けるという点では、この本には仕掛け絵本のチャンピオンの称号を上げたいくらい(^^)です!宇宙の始まりから自分のいる今までをたどって、だから、今自分がいるのだということを実感してください。 |
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ふたり☆おなじ星のうえで |
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谷本美加写真 谷川俊太郎文 塚本やすし絵 東京書籍 ¥1,470.(税込) 横18cm ×縦 23cm 対象:小学校低学年
南インドの少女ラマデビと、日本の少女春佳。ともに9歳。でもその暮らしは随分と違います。左のページにラマデビの写真、右のページには春佳の絵を並べて、家族のこと、住まいや食事のこと、勉強やお手伝いなどが、谷川さんの簡潔な文章で語られています。わたしたちのTシャツの原料である綿花が、生産地のインドで、今も子どもたちの小さな手で摘まれていると、春佳のお父さんによって語られるのが印象的です。どちらがより恵まれているかを比較するのではなく、同じ星の上に生きる仲間のことを、そのまま知ってほしいと思います。その意味で、少し難しいけれど、先入観のない低学年からお勧めしたい。巻末に「綿花からシャツができるまで」が掲載されています。 |
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大あばれ山賊小太郎 |
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那須正幹作 小松良佳絵
戦国時代、小太郎という少年がいた。鍛冶屋の息子で、たいそうな力持ちだった。ある時戦に巻き込まれて二親が殺され、独りぼっちになった小太郎は、ばば様の住む千草村に向かったが、この村も三年前に、戦で全滅していたのだった。途方にくれる小太郎は、思いがけない形で、ばば様に再会。ばば様は、孤児たちを集めて山賊の頭領になっていたのだった。山賊の仲間となった小太郎は、みんなと力をあわせ、侍たちへの敵討ちをめざす。「気球にのった少年」「八雲国の大合戦」と続く三部作。正義感に燃える子どもたちが、知恵と勇気で為政者に立ち向かう、胸のすくお話です。 |
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ひと・どうぶつ行動観察じてん |
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池田啓作 柳生弦一郎絵 久保敬親写真
先生に当てられそうになった時、目をそらしてじーっと動かずにいた経験、きっと誰でもあるはずです。それが「タヌキの死んだ振り(フリージング)」と同じだって、知っていましたか?仲直りのときそれとなく相手の体を触るのは、グルーミングで、電車の席取り競争は、マーキングなのだそうです。他の生き物たちとよく似た行動を私たち人間もしているのだと知って、おかしいような嬉しいような・・・。人間も動物の仲間ですものね。動物行動学をこんなに楽しく解説したこの本、残念ながら、出版社在庫僅少とのこと。興味のある方はお早めに! |
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レネット 金色の林檎 |
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名木田恵子作
事故で兄を失い、崩壊した家庭で苦しんでいた海香。そんなところへ、日本へ一ヶ月間の保養に来る、チェルノブイリの被爆少年を預かると父が言い出し、海香は反発します。さらに、少年セリョージャを兄の身代わりのように世話した母は、彼との別れにまた苦しみ、とうとう父を置いて家を出ることになります。それぞれセリョージャへの思いを抱いたまま、家族は分かれて生き、二十歳の誕生日を迎えてもなお希望を見出せない海香でしたが・・・。 |
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世界がもし100人の村だったら子ども編 |
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池田香代子・マガジンハウス編 山内ますみ絵
世界を100人の村になぞらえると、そのうち子どもは何人か。ヨーロッパに何人で、アジアには何人?そのうち、1歳までに亡くなる子、子どもなのに働かされている子は何人と、具体的な数字で、世界の子どもたちの様子を示しながら、日本の子ども人口の減少や、子どもが恵まれない暮らしをする国のあることなど、世界の子どもの現状伝えています。遠くに感じていたよその国の子どもたちの実情が、100人の村に例えることで、はっきりと現実味を帯びます。世界地図を横に置いてどうぞ。後書きの「チョコレートは好きですか?」では、無力と感じている子どもたちに、具体的な行動を示唆しているのも素晴らしい。「世界がもし100人の村だったら 」に始まるシリーズの第4巻。 |