“かえるの季節!”の巻 2009.6

  水田に水が張られると、待ってましたとばかりに半透明の“ぐにゅぐにゅ”が産み付けられ、それがあっという間におたまじゃくしになり、かえるになって、稲が育つ、田んぼはかえるの国みたいです。稲刈りの後、かえるたちはどこにいっちゃうのかな?

 こんなふうに、わたしたちの身近にいるかえるは、お話の中にもよく登場します。今回はややシブ゙めのチョイスでどうぞ! (^^)

☆ にんじゃあまがえる  ☆ あまがえるりょこうしゃ 

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かえるのあまがさ

与田準一
那須良輔 
童心社
¥1,050.(税込).
初版1977.6
横19cm×縦21cm
対象:2歳から

 お池に雨が降り出すと、かえるが葉っぱの雨傘のお店を出して・・・。お話というよりは詩といったほうが近いかもしれません。簡潔で、リズミカルな文章が、絵本を見入る子どもたちを「かえる」に変えてくれます。葉っぱの雨傘から首筋に雫がたれても平気。あったかな雨の中、楽しい気持ちで跳ねながら行くかえるたち。お話の中のかえるにも、聞き手の子どもたちにも、なんとも幸せな雨の時です。


おたまじゃくしの
     チャム

竹中まゆみ文・絵
偕成社 
¥1,050.(税込)
初版2008.6
横19cm×縦24cm
対象3歳から

 

 卵から孵ったばかりの、ちびっこおたまじゃくしのチャム。池の中で出会う生き物たちみんながかっこよく見えます。「おおきくなったら、さかなになる!」足が生えてくると、「とりになる!」、とワクワクします。そんなチャムの様子に、お母さんはちょっと心配。でもやがて、チャムのしっぽは消え体はみどりになって、おやおやチャムはお母さんそっくりに!大きくなることに憧れる子どもたちの共感を呼ぶ、おたまじゃくしのチャムの成長物語です。


 



いまはむかし
 さかえるかえるの
      ものがたり

まつおか きょうこ 馬場のぼる
こぐま社
¥1050.(税込).
初版1987.2
横21cm×縦20cm
対象:4歳から

 ちょいと軽薄なかえるのお殿様が、町に出て、恥ずかしい思いや怖い思いを経験し、優しい娘かえるに出会って改心、良いお殿様に・・・めでたしめでたしというこのお話、実は「かえる」言葉で綴られています。と言っても、ゲコゲコゲコではありません。「くやしなみだに むせかえる」や「いのちからがら にげかえる」のように、「かえる」を含んだ文章で語られているのです。その「かえることば」の軽妙さと、馬場さんの描く軽めのかえる社会はぴったし。笑えますよ。ああこれこそは日本のユーモア。



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