“おもしろ読物大特集 ”09 2009.7

  今年わたしが読んだ読み物では、高学年以上を対象とした作品に傑作が多かったような気がします。でもそれは、わたしのセンサーがそちらを向いていたから・・・なのかも。何を面白いと感じるかは、読む人にも、読む時のコンディションにもよるのだと思います。今年の「読み物特集」も一応対象年齢を付けますが、内容で“よさそう!”と感じたら、どれでも手に取ってくださいね。感想文を書くのには、絵本から捜しても面白いものが見付かると思います。特集や新刊のバックナンバーもチェックしてみてください。


‘98年の“感想文”お助け特集  ←・・・感想文の書き方のコツは、ここです。

バックナンバーリストはこちらをご覧下さい。

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クルミおばばの
   魔法のおふだ

末吉暁子 多田治良 
ゴブリン ¥1,260. (税込)
横15cm×縦20cm
対象:小学校低学年

 

 

 おじいちゃんに連れられてクルミ森に出かけた、おねえちゃんとコータ。森の名の由来の大きなクルミの木の下で、そうとは知らず、クルミおばばのおふだをひろったコータは、不思議な体験をします。それは普通では見えない、森のもうひとつの世界。クルミっこと一緒におばばの「かんろすい」を作るのを手伝ったのでした。




ぼくのネコにはウサギのしっぽ

朽木 祥 片岡まみこ 
学習研究社 ¥1,260. (税込)
横19cm×縦23cm
対象:小学校低学年

 

 

 

優秀なお姉ちゃんに、なにをやってもぼくはかなわない。そんな気持ちがどこかにあってか、みっともなくて弱虫の子ネコがやってきた時、ぼくは家族からその子ネコをかばう。表題の作品を始め、動物がテーマの三つのお話が収録されています。読んでみて気にいったどれかで、感想文が書けるかもしれませんね。


 



そいつの名前は エメラルド

竹下文子 鈴木まもる 
金の星
 ¥1,365. (税込)
横13.5cm×縦19.5cm
対象:小学校中学年

 

 妹の誕生祝のハムスターを買いに出かけ、ぼくは見知らぬ小鳥やに迷い込んだ。そして魔女みたいなおばあさんから、恐竜みたいなトカゲを買ってしまう。いつもは我儘な妹が、「ハムスターより好き」と気に入ってくれたのは良かったが、そいつ・エメラルドはただのトカゲではなかった。不思議な魅力で家族中の心をしっかり掴んだエメラルドだったが、やがてその背中に・・・。






空を飛んだポチ

 杉山 亮のものがたりライブ

杉山 亮 おかべ りか
講談社 ¥1,155. (税込)
横15.5cm×縦21cm
対象:小学校中学年

 

 

 杉山さんの住んでいる八ヶ岳のふもと、小淵沢。ここでは、およそ普通ではありえないスケールで、ヘンテコなことが起ります。人さえ空を舞う強風。地上の暮らしになれて、水に溺れてしまう鯉。巨大なカブトムシを慣らして乗用にする話。・・・という具合に、次々と語られる大ホラ話。読書なんか嫌いだという人には、特にお奨めしたい1冊。ただし、感想文を読んだ先生が信じてくれるかどうかは、ちょっと責任持てませんけど。(^^)






人類やりなおし装置

岡田 淳作・絵
17出版 ¥1,470.(税込)
横13cm×縦17.5cm
対象:小学校高学年


 ぼくが助手として住み込んでいる研究所の教授は、人間のやらかす悪行の数々に失望し、「人類やり直し装置」なるものを作るという。つまり、戦争や環境汚染や交通事故、汚職のないところまで時代を戻してやり直すと。順調に装置は出来ますが・・・。

短いお話に、濃いテーマ。たくさん読むのはイヤだというあなたに特におすすめ!しかし、教授と助手が手を焼く問題への、あなたの答え無しに感想文をまとめられないのが難題。頑張ってください。(^^)






白いキリンを追って

セントジョン ディーン
あすなろ ¥1,470.(税込)
横13.5cm×縦19.5cm
対象:小学校高学年

 

 


 火事で何もかも失い、孤児になった少女マーティンは、故郷イギリスから、たった一人の身内である祖母が住むという、アフリカの鳥獣保護区へやってきた。傷心は癒えず、祖母ともしっくり行かない彼女だが、意外にもアフリカの自然の中では安らぐことが出来た。そんな中で現れる、今まで自覚したことのなかった特別な能力。そして、彼女にだけ姿を見せる白いキリン。


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