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“おもしろ読物大特集 ”14 2014.8
「読書感想文の宿題のせいで、本を読むのが嫌いになった。」という大人の方が、少なくありません。状況が目に浮かびます。もっと詳しく!もっと感動が伝わるように!と言われても、どうすればそんなふうに書けるのかわからなくて途方にくれたのだと思います。さて、この夏休みのことですが、せっかく毎夜の読み聞かせで本好きに育てたお子さんを、ここに来て本嫌いにするなんて、あまりに残念。感想文を書くなら、「自分が感じたことを誰かに伝えるって、すてきだね!」という体験をしてもらいましょうよ。それには、出来るだけ具体的にインタビューして、答えを引き出してから文章にしてもらうとといいですよ。でもまずは、感動を伝えたくなるような作品に出会うことかな・・・。
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おとのさま、でんしゃにのる |
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中川ひろたか作
田中六大絵 佼成出版社 本体¥1,200. 横15.5cm×縦20cm 対象:小学校低学年
お城から街を眺めていたお殿様、電車を見て言いました。「あれはなんじゃ。」「一度にたくさんの人をのせることのできる、のりものですな」 そう聞くと、「ほう ・・・ わしは、あれにのりたい」。けれども、お殿様は、切符を買うことも並んで乗ることも知りません。電車の中では、はしゃいで家来をハラハラさせます。 |
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ハカバ・トラベルえいぎょうちゅう |
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柏葉幸子作 たごもりのりこ絵 BL出版 本体¥1,200. 横15.5.cm×縦20cm 対象:小学校低学年
まことは、学校帰りに通る寺町商店街で、時々見かけるお兄さんが気になっています。お勤め先のテラマチ・トラベルのことで、何か悩みがあるんじゃないかな。今日も様子が変なのでガラス越しに覗いていると、「なんまいだぶ なんまいだぶ」・・・なんと、ユーレイのお客さんがやって来たのです。お兄さんはとうとう逃げ出してしまい、誠はユーレイに、旅行に連れていってほしいとせがまれます。ユーレイは、いったい何処に行きたいのでしょう。そして、まことは? |
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ガリばあとなぞの石 |
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たからしげる作
お母さんを亡くして、お父さんと妹と3人暮らしの誠大。ところが、「なぞの石」を研究中のお父さんが行方不明となり、家を借金のカタに取られ、誠大たちは山奥に住む変わり者のガリばあさんに預けられることになりました。生活激変、学校にいじめっ子、さらにはお父さんの部下の怪しい行動と、盛大は四面楚歌。しかし、そんなことでくよくよはしない盛大のこと、仲間を作り、ガリ婆さんの応援もあって、最後には「なぞの石」の謎を解いて、お父さんとも再会します。家族・友だち・研究・裏切り・ITと、冒険に必要な要素は全部詰まって、ドキドキわくわく間違いなしです。 |
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オンボロ屋敷へようこそ |
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☆ ゆうれい作家はおおいそがし 1 ケイト・クリス作
スランプから抜け出せない有名な児童書作家、ムッツリー。夏の家として、ゴーストリーはハカバ通りの古い屋敷を借りることにした。夏のあいだに新作を書かなくては、経済的にも破綻という、背水の陣。ところが、この屋敷は不動産屋も「ほかの物件のほうがご満足いただけるのでは」と言ってくる位のシロモノ。ひどくオンボロで、幽霊が出るという噂。さらに、契約書をよくよく読めば、ここに住む少年と猫の世話をすべしという項目が付帯していた。書けない作家と少年と猫と、もうひとりの人物の、最後にはハッピーな物語です。 |
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お人形屋さんに来たネコ |
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☆ うちはお人形の修理屋さん 続編 ヨナ・ゼルディス・マクダナ−作
ニューヨークでお人形屋さんを営み、慎ましく暮らしている両親と三人姉妹のもとに、ロシアから従姉妹がやって来ました。お母さんが仕事のため、11歳のタニアはひとりで船旅をしてきたのでした。しかし彼女はインディッシュ語しか話せません。(アメリカ暮らしの一家もタニア母子も、ユダヤ系ロシア人のようです。)三姉妹の真ん中のアナは、タニアとは同い年。従姉妹の力になりたいと思うのですが、環境の激変で、タニアは心を閉ざしたままです。ちょうどその頃、隣のアパートの非常階段で、母猫が足の悪い子猫を育てていました。その猫たちを何かと気に掛ける三姉妹でしたが・・・。 |
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ルーシー変奏曲 |
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サラ・ザ−ル作
ピアノの才能に恵まれ、英才教育を受けて育ったルーシー。コンクールを優先させるため、おばあちゃんの死を知らされなかったことで母に反目し、それ以来ルーシーはピアノをやめてしまった。孫たちの才能によって夢を実現したいおじいちゃんともしっくり行かない中、ルーシーは同年代の友だちとの学生生活はのびのびと楽しめていた。こうした毎日で、ピアノなしでやっていけると思っていたルーシーだが、弟の新しいピアノ教師に導かれ、やがて、自分がピアノをどんなに愛しているかに気付いていく。 |