調べ物をするのなら”の号 2019.8

 

 子どもの調べ物といえば「学習図鑑」の出番。おじいちゃんやおばあちゃんが、“ためになる”と買ってくださるのがこれだし、保育園や幼稚園でも、子どもたちは綴じがバラけるほど愛読します。学習図鑑の構成の基本は、<浅く&広く>で、教科書に準拠しており、学校で学ぶことはひと通り載っていて便利です。
 ただ、もっと深く知りたい場合、それだけでは物足りないこともあるでしょう。その時にはこんな本をどうぞ!というのが今回の特集です。そのテーマにのめり込んでいる作者の書いた知識絵本は、わかりやすくて、感動もありますよ。全部はご紹介しれませんので、お店にも見に来てくださいね。

 

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生きもの

つかまえたらどうする?

 

馬秋山幸也 松橋利光写真 木場葉子
偕成社

本体 ¥1,500.
初版 2014/07  
横22.5cm×縦24cm
対象:3歳から

 

 

 

 虫を捕まえたら取り合えず飼育ケースに入れますが、本当にそれだけで虫たちは不自由なく安心して暮らせるのでしょうか?たとえば、ダンゴムシとカタツムリとバッタでは、暮らし方が違うからお世話の仕方も違うのです。この本では、本当に生き物が好きな著者たちが、子どもの周りにいる昆虫や爬虫類や魚の飼い方について詳しく解説しています。捕まえた生き物を連れて帰る方法や、飼いきれない時の対処の仕方まで、生き物の立場も考えて書かれていて、大人にとってもこの本での学びは多いはずです。

 

 

ぴっかぴかすいぞくかん  

シリーズ:しぜんにタッチ

 

なかのひろみ 福田豊文
ひさかたチャイルド
本体 ¥1,200.
初版 2014/06(月刊誌2013.8)
横23.3cm×縦20.5cm
対象:3歳〜

 

 

 

 展示に工夫を凝らした水族館が各地にできているので、子どもたちは動物園と同じように水族館の体験もたくさんしています。でも、動物園と水族館ではお掃除のし方は随分違うみたいですよ。だって、水族館の場合、簡単に水を入れ替えできる水槽ばかりではありませんから。そこで、この絵本で紹介されているのが、水族館のお掃除方法。水にもぐって、魚たちの食べ残しやうんちを掃除機掛けしたり、危険なサメの水槽では、人間が檻に入って身を守りながらお掃除したり。水草の生えているところや岩場をお掃除するために工夫された、変わった掃除道具もあります。だから、わたしたちが水族館に行くと、水槽の中はいつもピッカピカなんですね。あ、そうそう、水の生き物の中には、汚れを食べて水をきれいにしてくれるおそうじ係りたちもいるんですって。

 

 

ざっそうの名前

 

 

長尾玲子 刺繍 
福音館
本体 ¥1,100.
初版2013/04
横21.5
cm×縦18.cm
対象:5歳〜

 

 

 

 太郎はおじいちゃんの家に行き、家の周りに生えている植物のことを教わります。おじいちゃんに草の名前を教えられて太郎はびっくり!雑草にも名前があるの?よく見ると、雑草たちはそれぞれ、たくましく陣地を広げていたり、目立たないけど美しい花を咲かせたりしています。
 こんなふうに雑草への知識を紐解いてくれるこの絵本、実はもうひとつ驚きがあるのです。それは、この絵本の雑草たちは刺繍で表現されている、ということなのです。写真でも水彩による細密画でもありません。糸と針でチクチク刺していくあの刺繍です!それなのにどの草も、間違いなくそれぞれの特徴を備えて生き生きと描かれています。雑草の美しさと刺繍の美しさの両方をお楽しみください。

 

 

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