“小人のおはなし”の号 2019・11
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もりのこびとたち |
エルサ・ベスコフ文・絵 大塚勇三訳 |
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お話の中で様々な姿に描かれる小人ですが、わたしにとっての小人の原型は、やはりこのベスコフです。可愛らしいけれど勇敢で、様々な妖精や動物たちと一緒に、森の奥の豊かな自然の中で野性的に暮らしています。子どもたちには、アニメ化されすぎたり奇っ怪に描かれた小人ではなく、まずはベスコブの描くこの小人たちに出会って、そのイメージを作り上げて欲しいと思っています。 |
おふとんのくにの こびとたち |
越智典子文 出久根育絵 |
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お熱で一日寝ていなくちゃいけないひさこちゃんは、退屈しのぎに掛け布団を持ち上げて山を作ってみました、すると・・・その山の上に雪がふり、なぜかそこに小人たちの村が出現します。よくわからない言葉を交わしながら楽しげにパーティをする小人たち。やがて小人たちは熱っぽい体のひさこちゃんに気が付き、掛け布団の上に何やらすごい仕掛けを作り始めました。仕掛けは彼女の上に雪を降らせるのためのものでした。降りかかるその雪の気持ちの良いこと。いつの間にか眠ってしまったひさこちゃんが目を覚ますと、お熱は下がっていて、小人さんたちはもういませんでした。あれは本当のことだったのでしょうか?それとも熱が見せた夢だったのでしょうか?日本の絵本作家たちが創り上げた、現代に生きていそうな小人の世界です。 |
いっすんぼうし |
長谷川摂子文 荒井良二絵 |
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子どものいない老夫婦に望まれて生まれてきた小さな男の子、一寸法師。小さいけれど勇敢な彼は都に上り、乱暴者の鬼を成敗してお姫様に見初められるのです。そして、鬼の残していった打出の小槌で体が伸びて、彼は立派な若物になりました・・・という、有名な日本の昔話。よく似たお話がグリム童話ほか世界各地にあります。一寸法師も親指トムも「小人族」に属しているわけではなく、最後には普通の人の背丈になりますけれど、主人公は小人として活躍するので、やっぱりこれは小人話ですね。いっすんぼうしは各社から絵本が出ていますので、ぜひ読み比べてみてください。 “新しく描かれた昔話絵本”にも掲載しています。 |