“おつきさまと な・か・よ・し”特集 2007.9 

 

  月は、子どもたちがはじめて気付く「宇宙の神秘」なのでしょうか、あるいは「一番近しい自然」なのでしょうか?お月さまの絵本といえば、ご紹介しきれない位たくさんあります。そしてそのまた多くは、魅力的な人格を与えられ、さまざまな青色系で描かれ、それでいて、みごとにみんな違うお月さま。作家たちにとっても月は、またそれだけ魅力的なテーマだから、ということなのでしょうね。

   その他の月の絵本・・・→       おつきさま こんばんは
おやすみなさいコッコさん
ぽっかりつきが でましたら

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14ひきのおつきみ

いわむら かずお
童心社 ¥1,260.(税込)
横19.5cm×縦27cm
対象:3歳から

  ねずみ一家のおうちは、おおきなコナラの木の根方にあります。ねずみたちは、そのコナラの枝にお月見台を作りました。今夜はお月見。夕焼けで辺りが赤く染まり、やがて日が落ちて夜が広がって行きます。ススキを飾って、お団子や木の実をお供えして、これぞ日本の伝統的お月見。やがて、空にぽっかりとまんまるお月さま。収穫を感謝して、みんなでご馳走を食べる楽しいひと時です。


おつきさまは よる 
 なにをしているの?

エルボー文・絵 
木本 栄
ひくまの
 ¥1,680.(税込)
横28×縦36cm
対象:4歳から

   おつきさまは、昼間は眠っています。おつきさまが働くのは夜だから・・・。どこかユーモラスなこのおつきさま。その仕事は、夜の空にたくさんの」星を描き、街を静かにし、楽しい夢を撒くこと。そうして、みんなが安らかに眠り、ばら色の朝を迎えられるように夜を守るのです。おつきさまと仲良しの子だけでなく、夜が怖い小さい人たちにも是非読んで上げてほしい、頼もしいおつきさまのお話。大きくて本棚に収納しきれない!という悩みも吹き飛ぶほど素敵な仕上がりのこの絵本。魅力的な絵を描いたエルボーは、'75生まれの若い作家ながら、「すきまのじかん」のような哲学的な作品もあり、今後の活躍がたのしみです。

 



パパ、お月さまとって!


カール文・絵
 

もりひさし
偕成社
 ¥1,680.(税込)
横21×縦39.5cm
対象:3歳から

 モニカは一緒に遊びたいと思っているのに、お月様はすぐそこに見えていて、手を差し伸べても届きません。「パパ、お月さまとって!」そこでパパは、ながーいながいハシゴでお月さまの所へ登っていきました。持って帰るにはあまりに大きいお月さまでしたが、「まいばんすこしずつ ちいさくなっていくんですよ。」ということなので、パパが待っていると、本当に月はやせて行き、やがて、パパが持って帰るのにちょうどよい大きさに。娘のパパへの信頼とパパの娘への愛情と、ちいさい女の子と遊びたがる月の無邪気さと、さらに月の満ち欠けという神秘が、子どもたちの心をつかんで離さないこの絵本。実はエリック・カールお得意の仕掛けがダイナミックです。ミニ版も出ていますが、やっぱり大きい版で見てほしい!


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